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7月の物価上昇率は前月比4.0%、再び減速基調へ(アルゼンチン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月26日 0時40分

添付資料PDFファイル(221 KB)

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は8月14日、7月の消費者物価指数(CPI)上昇率が全国平均値で前月比4.0%増だったと発表した。2022年1月の3.9%増以来の低い水準となった。前月比の伸び率は、2024年1月から減速を続け、6月にわずかに加速した後、7月に再び減速した。前年同月比(年率)では263.4%増と、8カ月連続で200%増を超えたものの、これも減速傾向にある(添付資料図参照)。1~7月累計の物価上昇率は87.0%増だった。

7月の前月比の伸び率を項目別に見ると、季節によって価格が変動する生鮮食品や観光サービスなどの財・サービスは5.1%増、季節要因などを除いたコアインフレ率は3.8%増で、前月に比べてわずかに上昇した。他方、エネルギーや公共サービスなどの価格が規制されている財・サービスは4.3%増で、前月の8.1%増に比べて大きく減速した。

前月比の伸び率を費目別に見ると、平均値を上回ったのは外食・ホテルの6.5%増、酒類・たばこの6.1%増、住宅・光熱その他燃料の6.0%増で、INDECによると、たばこの値上げのほか、水道料金や家賃の値上げが原因だ。CPIに占める比重が大きい食品・飲料(酒類を除く)は3.2%増と、7月の3.0%増に比べてわずかに上昇した(添付資料表1参照)。

8月14日付の現地紙「ラ・ナシオン」(電子版)によると、多くのエコノミストらが、今後のCPI上昇率は4%前後にとどまるとの見方を示しているものの、7月から8月にかけての短期的な見通しについては二極化している。エネルギーや公共サービスなどの料金が引き上げられることで、7月を上回る可能性が高いとの見方もあれば、季節によって価格が変動する財・サービスの価格が落ち着いているため、7月を下回るとの見方もある。また、9月には輸入時に17.5%を課税する「社会的包摂の促進と資金調達のための外貨購入に係る税(通称:パイス税)」を7.5%まで引き下げるとの政府要人の発言が伝えられており、多くの財の価格が下がるとの期待もある。他方、為替レートに左右されるとの見方もあり、政府のもくろみどおりに物価が下がり続けるかは不透明だ。

ジェトロが8月19日にブエノスアイレス市内で独自に行った価格調査(添付資料表2参照)では、ガソリン、軽油、圧縮天然ガス(CNG)の値上げのほか、タクシー料金、バス料金などの値上げがみられた。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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