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インド中銀、預金準備率を4.0%に引き下げ、政策金利は6.50%に据え置き(インド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月10日 16時15分

添付資料PDFファイル(185 KB)

インド準備銀行(RBI、中央銀行)は12月4~6日に金融政策決定会合(MPC)を開催し、銀行システムの流動性ストレスを緩和するため、預金準備率(CRR)を0.5ポイント引き下げて4.0%とすることを、シャクティカンタ・ダス総裁の声明で公表した。ダス総裁によると、これにより、1兆1,600億ルピー(約2兆880億円、1ルピー=約1.8円)の流動性が市場に供給されることになる。また、政策金利(レポレート)については、6.50%に据え置くことを、委員6人中、ダス総裁を含む4人の多数決で決定し、委員6人全員が金融政策の中立スタンスの継続し、成長とインフレのバランスを注視するとした。政策金利は2022年5月から6会合連続で引き上げられたが、2023年4月以降は11会合連続で据え置きとなった(添付資料図参照)。

11月29日に発表された2024年度第2四半期(7~9月)の実質GDPは前年度同期比5.4%増加と、2022年度第3四半期(10~12月)以来の軟調な結果となったものの(2024年12月10日記事参照)、消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)は、直近の2024年10月は6.21%と、RBIの定めるインフレ率の許容範囲(4%±2%)を超えている(2024年11月18日記事参照)。RBIは、高成長のための強固な基盤は持続的な物価安定によってのみ確保できると強調し、今回の利下げを見送り、据え置きとした。

今後の国内経済について、RBIは、堅調な穀物生産と産業活動の回復、サービス業の持続的な活況が民間消費に好影響を与え、投資活動も上向くと予想している。また、堅調な世界貿易見通しが外需と輸出を支えると予想している。他方で、地政学的不確実性や、国際商品価格の変動、地理的経済的分断は引き続き、経済見通しにリスクをもたらすと指摘した。これら全ての要因を考慮すると、2024~2025年の実質GDP成長率は6.6%、第3四半期は6.8%、第4四半期は7.2%と予測している。

現地報道では、「成長とインフレが混在する状況を認識しつつも、RBIは流動性の低下という問題に慎重かつ現実的に対処する必要があった。CRRの0.5ポイント引き下げは、今後の金融政策の方向性を適切に指し示している」との市場関係者の声を紹介している(「ヒンドゥスタン・タイムズ」紙12月6日)。

(篠田正大)

(インド)

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