1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

バイデン米大統領、AIデータセンターインフラ増強の大統領令を発令(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月15日 14時30分

米国のジョー・バイデン大統領は1月14日、国内の人工知能(AI)データセンターインフラの増強に向け、連邦政府所有地でのデータセンター建設・運営を推進する大統領令を発令した。

同大統領令でバイデン大統領は、国防総省とエネルギー省に対して、2025年2月28日までに、それぞれ少なくとも3カ所の連邦政府所有地における(1)データセンター、および(2)データセンターに電力供給するクリーンエネルギー発電施設の建設・運営予定地の選定を指示した。併せて、2027年末までの各施設の稼働に向けて、建設・運営予定地を民間部門にリースするための競争入札を募ることや、建設・運営に関する許認可手続きを迅速に処理することなどを規定した。

バイデン大統領は同日の声明で、「本日の大統領令は、国家安全保障を確保し、競争力を強化し、クリーンエネルギーでAIを強化し、AIの安全性を高め、消費者価格を低く抑え、新技術を拡大するための責任ある方法を示し、競争力あるAIエコシステムを推進するAIインフラの構築を可能にするものだ」と述べた。

ただし、大統領令は一般的に、後任の大統領が同意できない内容であれば撤回または修正することができ、米国では、ドナルド・トランプ次期大統領の就任日(1月20日)まで1週間足らずとなっている。トランプ次期政権のAI政策に関して、米国シンクタンクのブルッキングス研究所は、推進に向けた方向性は変わらないながらも、バイデン大統領の2023年10月のAIの利用・開発に関する大統領令(2023年11月1日記事参照)の撤回など、AIの開発・利用に関する規制が緩和される方針に転換される可能性を指摘している(2024年11月22日記事参照)。今回の大統領令は、インフラ整備を通じたAI推進に向けた方向性を示すものであることから、大統領令自体の撤回の可能性は低いとみられるものの、クリーンエネルギーに関する項目など、一部が修正される可能性が指摘されている(米国政治専門誌「ポリティコ」1月14日)。

なお、米国商務省産業安全保障局(BIS)は1月13日、AI向け半導体などへの輸出管理を強化する暫定最終規則を発表した(2025年1月14日記事参照)。今回の大統領令で示されたインフラ整備を通じた国内エコシステム推進と、暫定最終規則で示された技術流出防止という、バイデン政権の両側面のアプローチの一端が現れたかたちだ。

(葛西泰介)

(米国)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください