カナダの鉄道会社2社、業務復帰命令を受け業務再開、労働組合は上訴(カナダ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月6日 0時0分
労働組合チームスターズ・カナダ鉄道会議(TCRC)は8月30日、労使交渉決裂による鉄道業務の停止(2024年8月23日記事参照)への対応として、8月24日にカナダ労使関係委員会(CIRB)が発した業務復帰命令に対し、4つの上訴を連邦裁判所に提出した。TCRCは、13万人以上の組合員を擁するカナダ最大の輸送・サプライチェーン労働組合で、インフラ維持に関わる民間部門で最大の組合だ。
カナダ政府は、カナダの2大鉄道会社のカナディアン・ナショナル・レールウェイ(CN)とカナディアン・パシフィック・カンザスシティー(CPKC)の鉄道業務の停止を受け、解消に向けた介入に乗り出し、拘束力のある仲裁をCIRBに付託した。CIRBは8月24日にCNおよびCPKCに対して業務復帰命令を出し、新しい協定が締結されるまでは現協約が延長されることとなった。
CNおよびCPKCは同日付で、CIRBによる仲裁と業務復帰命令の受け入れを発表。一方、TCRCは、CIRBによる仲裁と業務復帰命令を受け入れるものの、CIRBの業務復帰命令は「事実上、団体交渉権を剥奪する決定」として連邦裁判所に上訴することを発表。CNとCPKCそれぞれに対しての、労働大臣によるCIRBへの仲裁の付託およびCIRBから両社に対する業務復帰命令を無効とすることを求めている。
TCRCのポール・バウチャー委員長は「これらの決定に異議を申し立てず放置すれば、1人の政治家が労働組合をつぶすことができる危険な前例になる。団体交渉権は憲法で保障されている」「法律はわれわれの味方であり、労働者の声は届けられると確信している」とコメントしている。
(幡野裕一)
(カナダ)
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