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衣類と繊維製品の輸入関税率をそれぞれ35%、15%に引き上げ(メキシコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月25日 11時10分

メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は12月19日、「輸出入一般関税法およびIMMEX(注1)政令の改正」に関する政令を官報公示した。主な改正項目は次のとおり。

衣類製品138品目の一般関税率を35%、繊維製品17品目を15%に一時的に引き上げる。期間は2024年12月20日から2026年4月23日までとする。
IMMEX政令の別添IにHSコード6117.90、6217.90、6302.91、6302.93、6302.99を除く、61類、62類、63類と、9409.40、9409.90を追加する。
IMMEX政令の別添IIセクションCから61類、62類、63類の302品目を除外する。

今回の措置により、アパレル・縫製品を中心に一般関税率が35%、綿織物、デニム、合成繊維の織物などについては15%となった。今回の関税引き上げは、一般関税率を対象とするため、日本メキシコ経済連携協定(日墨EPA)や、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)など、メキシコと締結している自由貿易協定(FTA)を活用した輸入には影響が出ない。しかし、繊維製品の原産地規則は厳しく、これら協定が適用できない場合も多いため、注意が必要だ。

また、IMMEX政令の関連では、同政令の別添IはIMMEXを有していても一時輸入できない品目のリストであり、別添IIはセンシティブ品目(注2)を定めたリストとして位置づけられる。したがって、今回の改定により、対象品目(アパレル・縫製品)の一時輸入やIMMEXの特徴である関税の繰り延べが不可となり、確定輸入しかできなくなる。

国内産業と輸出関連産業で異なる意見

クラウディア・シェインバウム大統領は、12月19日の早朝記者会見で今回の改正を「メキシコの経済発展と国産化を強化するための行動」と述べた。また、マルセロ・エブラル経済相は「約50万人を雇用しているわが国で最も重要な産業の1つを保護するための措置だ。ダンピングによる、またはその可能性のある価格帯の製品の流入を防ぐため、この措置を取らなければ、繊維産業は不利な立場に置かれることになる」と発言した。

一方で、メキシコ全国商業サービス観光会議所(CONCANACO SERVYTUR)のオクタビオ・デ・ラ・トーレ会長は、国内の雇用保護を目的とした今回の政府の措置に対して警鐘を鳴らしている。同会長によれば、メキシコ国内には、本措置の対象品目を輸入によって調達している企業も多いことから、それらの企業にとっては、一定の雇用が損失することも想定される(「エル・エコノミスタ」紙12月22日)。

(注1)輸出向け製造・マキラドーラ・サービス業振興プログラム。製品やサービスの輸出を条件に、当該オペレーションに必要な部品・原材料、機械設備の一時輸入(保税輸入)を認めるプログラム。

(注2)一時輸入で特別な要件を満たすことが義務付けられる品目。IMMEX政令別添II、SAT貿易細則別添28にHSコードが記載されている。

(阿部眞弘)

(メキシコ)

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