アルメニアと米国が戦略的パートナーシップ憲章に調印(アルメニア、米国、ロシア)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月22日 0時15分
米国のワシントンで1月14日、アルメニアと米国のパートナーシップ憲章調印式が執り行われた。アルメニアを代表してアララト・ミルゾヤン外相が、米国を代表してアントニー・ブリンケン国務長官(当時)が参加し、憲章に署名した。この憲章は、2国間の経済・安全保障協力、民主主義、正義、包摂性の強化、人的・文化的交流拡大のための枠組みを定めるものとされる。
ブリンケン国務長官は調印式の演説で、同憲章の調印は両国関係における重要な節目になると述べた。経済協力ではエネルギー分野、とりわけ原子力協力協定(通称「123協定」)の交渉を開始する段階に来たことを画期的だと評し、両国が核不拡散基準と核安全保障の推進に努めるだけでなく、原子力・科学・技術分野で協力するための道を開くことになると述べた。安全・防衛分野での協力にも言及し、米国税関国境警備チームを近いうちにアルメニアに派遣し、同国の平和維持能力強化のための演習を行うと発表した。
続いて演説したアルメニアのミルゾヤン外相は、両国関係が近年目覚ましく発展したことを指摘し、複雑な地政学的情勢を乗り切るためにこれを戦略的パートナーシップに格上げするのは適切であり不可欠だと述べた。さらに、同国の独立・主権・領土保全、および民主的制度の強化、経済的回復力の促進に対する米国の支援に感謝を表明し、本憲章の目標達成のため、米国の新政権と引き続き協力していきたいと述べた。
アルメニアは旧ソ連構成国だが、近年はアゼルバイジャンとの係争地ナゴルノカラバフでの紛争に関連し、集団安全保障条約機構(CSTO)で中心的なロシアとの関係が難しくなっている一方、欧米との関係を強めている。アルメニア政府は1月9日、同国がEUへの加盟を目指すことを請願する法案を承認した。これに対しロシア側からは、ドミトリー・ペスコフ大統領報道官が、同時にユーラシア経済連合(EAEU)とEUの加盟国になることはできないとコメントしたり、セルゲイ・ラブロフ外相が、アルメニアは地域問題の解決にEUや米国に支援を求めるのではなく、近隣諸国と問題を解決すべきだとコメントしたりするなど、反発が出ている。
(小林圭子)
(アルメニア、米国、ロシア)
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