8月の自動車販売台数、前年同月比5.0％減、新エネ車は3割増（中国）

中国自動車工業協会（CAAM）は9月10日、8月の自動車販売台数が前年同月比5.0％減の245万3,000台、生産台数が3.2％減の249万2,000台と発表した。前月比ではそれぞれ8.5％増、9.0％増だった。

販売台数の内訳は、乗用車が218万1,000台（前年同月比4.0％減）、商用車が27万2,000台（12.2％減）といずれも減少した。また、新エネルギー車（NEV、注）は110万台（30.0％増）と好調で、自動車販売台数全体に占める割合は44.8％だった。NEVの販売台数の内訳をみると、バッテリー式電気自動車（BEV）は64万6,000台（8.3％増）と、1桁台の伸び率にとどまったのに対し、プラグインハイブリッド車（PHEV）は45万3,000台（81.6％増）と、大幅に増加してNEV全体の41.2％を占めた。なお、自動車輸出台数は51万1,000台（25.4％増）だった。

2024年1～8月の累計販売台数は1,876万6,000台（前年同期比3.0％増）、累計生産台数は1,867万4,000台（2.5％増）だった。販売台数の内訳をみると、乗用車が1,615万7,000台（3.3％増）、商用車が260万8,000台（1.6％増）だった。NEVは703万7,000台（同30.9％増）で、自動車販売台数全体に占める割合は37.5％となった。

また、同期の自動車輸出台数は377万3,000台（28.3％増）で好調を維持した。輸出台数の内訳は、乗用車が317万6,000台（29.4％増）、商用車が59万7,000台（22.8％増）。ガソリン車は295万5,000台（33.4％増）、NEVは81万8,000台（12.6％増）だった。

1～8月の自動車輸出台数の上位10社は、奇瑞汽車（72万台）、上海汽車（58万4,000台）、長安汽車（37万1,000台）、吉利汽車（34万7,000台）、長城汽車（28万台）、比亜迪（BYD、27万台）、テスラ（19万9,000台）、江淮汽車（16万8,000台）、北京汽車（15万9,000台）、東風汽車（15万7,000台）。伸び率（前年同期比）では、BYDの2.2倍が最大で、吉利汽車（63.0％増）、長安汽車（60.7％増）と続いた。

乗用車市場信息聯席会（CPCA）は9月9日、微信（WeChat）の同会公式アカウントで、8月の乗用車市場に対する分析を公表した。主なポイントは次のとおり。

高温や雨の多い日が続き、一部の産業では生産の閑散期に当たったこともあり、8月の製造業購買担当者指数（PMI）は49.1に低下するなど、景気に落ち込みがみられた（前月は49.4）。
他方、中国政府が7月25日に発表した「大規模設備更新と消費財の買い替えへの支援強化に関する若干の措置」では、NEVへの買い替えで補助金を従来の1万元（約20万円、1元＝約20円）から2万元に、排気量2.0リットル以下の燃料式乗用車への買い替えに対する補助金を、従来の7,000元から1万5,000元に引き上げた（2024年8月1日記事参照）。同措置でNEVに対する補助金額が燃料式乗用車を5,000元上回っていることは、NEVの消費の活発化に寄与しており、特にエントリーモデルのBEVとPHEVの販売が伸びている。
8月31日午前10時までに、自動車の買い替え補助金の申請件数は80万件を超えた。

（注）バッテリー電気自動車（BEV）、プラグインハイブリッド車（PHEV）、燃料電池車（FCV）の合計。

（龐婷婷）

（中国）