イラン、イスラエルからの攻撃を迎撃と発表(イラン、イスラエル、レバノン、パレスチナ、エジプト、カタール、シリア)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月28日 13時0分
イランのイスラーム共和国通信(IRNA)は10月26日、首都テヘランと西部イーラーム州、フーゼスタン州の軍事拠点に対するイスラエルからの空爆は迎撃し、被害は限定的だったとするイラン防空司令部の声明を報じた。現地時間26日午前、イラン各地、特に首都西部で爆発音のような音が確認され、約2時間半後には同国のミサイル防衛システムが東部と中部の一部地域で再び作動した。声明では、国民に国営メディアの報道を信用するよう促した〔10月26日付イスラーム共和国通信(IRNA)〕。また、同国軍参謀本部は米国が管理するイラクの空域を使って行われたとした(10月26日付IRNA)。
イラン外務省は今回の攻撃を国際法、国連憲章に違反する行為として強く非難し、同国には自衛権があるとする声明を発表した(10月26日付イラン外務省)。アッバース・アラーグチー外相は国連にイスラエルによるイランへの攻撃を非難するよう求め、イランはイスラエルの侵略に適切な時期に合法的かつ正当に対応する固有の権利を留保しているとする書簡を26日に国連のアントニオ・グテーレス事務総長と安全保障理事会議長に送った(10月27日付IRNA)。
また、同外相は26日、カタール、シリア、エジプトの外相と電話会談を行い、イランは領土保全と安全に対するいかなる侵略にも、しかるべき時期に断固とした適切な対応を取ることを躊躇(ちゅうちょ)しないと強調した。さらに、地域全体への戦争拡大を防ぐため、国際社会はパレスチナ自治区ガザとレバノンで公正な停戦確立のために即時かつ効果的な措置を講じるべきだと述べた。各国外相もイスラエルのイラン軍事施設への空爆を非難し、ガザとレバノンでの停戦を確立し、地域の安定と安全の回復のためさらなる努力の必要性を強調した(10月26日付イラン外務省)。
このほか、石油施設に損害はないことや、イラン上空の空域閉鎖は現地時間26日午前9時に解除されたこと、国民生活は日常どおりということが報じられた(10月26日付IRNA、10月26日付IRNA、10月26日付IRNA)。
なお、10月28日付のロイター通信は、イスラエルがイランに対する報復攻撃で石油や核関連施設を標的としなかったことを受け、中東の地政学的緊張を巡る懸念が和らぎ、日本時間28日の原油先物価格は安値に動いたと報道した。
イランのアリー・ハーメネイー最高指導者は27日、今回のイスラエルの行為は、誇張も軽視もされるべきではないとし、イスラエルにイランの国力と決意のレベルを理解させるべきと述べた。また「イスラエルへの対抗のため、政治的、経済的、必要であれば軍事的な世界的な連合が形成されなければならない」と強調した(10月27日付IRNA)。
マースード・ペゼシュキヤーン大統領は、今回の攻撃で死亡した4人の軍人に哀悼の意を表した(10月27日付IRNA)。
(鈴木隆之)
(イラン、イスラエル、レバノン、パレスチナ、エジプト、カタール、シリア)
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