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パオプーム財務副大臣が物品税の改革案を提示、自動車やバッテリーなど5分野(タイ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月19日 0時25分

タイのパオプーム・ロジャナサクン財務副大臣は11月5日、物品税局に対して、財務省の物品税(注)改革案を説明し、具体的な税制度の検討を指示した。同改革案は、自動車、石油製品、健康、バッテリー、たばこの5分野から成る。政府ホームページおよび現地報道(11月5日付「バンコク・ポスト」紙)などによれば、主な内容は次のとおり。

1. 自動車:物品税制の優遇措置を行い、投資を刺激することで、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、バッテリー式電気自動車(BEV)、燃料電池自動車(FCEV)の国内生産を増やすだけでなく、内燃機関自動車(ICE)とハイブリッド電気自動車(HEV)の国内生産基盤も維持できるよう、自動車業界を全体的に支援する。
2. 石油製品:価格に影響を与えないように、石油製品に対する物品税の一部を炭素税に振り替えるかたちで「カーボンプライシングメカニズム」を導入する。 カーボンプライシングメカニズムは、燃料が排出する温室効果ガスの量に、政府が設定した炭素価格〔1炭素換算トン当たり200バーツ(約880円、1バーツ=約4.4円)〕を乗じて計算されるという(9月30日付「プラチャーチャート・トゥラキット」紙)。
3. 健康:国民の健康を推進するため、砂糖を含有する飲料の物品税の引き上げを引き続き実施する(2023年3月23日記事参照)。また、2025年内にタイ人の塩分消費量を30%減らすという目標を達成するため、物品税局は塩や脂肪を含む製品に対する物品税の導入を検討する。
4. バッテリー:クリーンバッテリーと電気自動車産業を促進するため、バッテリーに対する物品税は現状の固定(8%)となっているが、製品寿命や重量によるエネルギーコスト、バッテリーの種類などを考慮して段階的な税率へ変更することを検討する。
5. たばこ:混合税率により市場価格がゆがめられている状況を改善するため、たばこ税の構造を単一税率に変更することを検討する。

なお、自動車に関しては、HEVメーカーの投資を促進するため、物品税率の引き下げ措置がすでに発表されており、条件を満たせば2026~2032年は6~9%の軽減税率を享受できる(2024年8月7日記事参照)。

(注)物品税とは、特定の商品やサービスに対して課税されるもののこと。例えば、石油製品、アルコール飲料、乗用車、ナイトクラブの売り上げなどがある。

(ピンラウィー・シリサップ、藤田豊)

(タイ)

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