1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

国境特別経済開発区(SEZ)の最新の開発・投資状況を公表(タイ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月8日 0時45分

添付資料PDFファイル(271 KB)

タイ国家経済社会開発庁(NESDC)は9月2日、国境特別経済開発区(SEZ)10カ所(添付資料図、表1参照)の最新の開発と投資進捗状況を公表した。国境SEZ開発は2015年以降、政府が進めており、各SEZにはタイ投資委員会(BOI)、タイ工業団地公社(IEAT)、歳入局、関税局がそれぞれ投資恩典を設けている(2023年7月24日記事参照)。

SEZ10カ所に対する2015年から2024年7月までの累積投資額(タイ政府投資を含む)は約522億バーツ(約2,297億円、1バーツ=約4.4円)となっている。他方、上記の投資恩典を得ているか否かにかかわらず、SEZに登記した企業数は2015年から2024年7月までに7,922社(登録資本金合計148億バーツ、うち中小企業が98%)で、業種はビル建設、物流、衣類の製造、不動産・ホテル・リゾート・コンドミニアム、水産品、発電機、木材加工製品だった。同期間の新規登記企業数は、ターク県(1,868社)、チェンライ県(1,715社)、ノンカイ県(1,243社)、ムクダハン県(1,025社)、ナコンパノム県(758社)の順に多い。

一方、IEATのサケオ県とソンクラー県のSEZへの投資金額(SEZ開発および入居企業による投資の合計)は約57億バーツで、前年と変わりなかった。また、トラート県とカンチャナブリ県、ナコンパノム県の土地開発への民間企業による投資金額は約51億バーツで、4年前と変わっていない。

個別の投資恩典の利用状況は、BOIからの認可件数122件、申請額約303億バーツのうち、実際に投資済みの案件は85件、約260億バーツとなった。主な業種は衣類、プラスチック製品、家畜飼料、自動車、機械・同部品、建設機械、病院、医療用ゴム手袋の製造だった。地域別では、タイとの国境貿易が最も盛んなマレーシアと国境を接するソンクラー県への投資が17件、約92億バーツとなり、金額ベースで35.6%を占め、最も多い。

外資によるBOI実行額をみると、天然ゴム製品の製造、医療用ゴム手袋やプラスチック製品の製造などで27件、約42億バーツとなり、投資総額の16.2%を占めている(9月16日ジェトロによるヒアリング)。国・地域別の投資状況は添付資料表2を参照。投資を呼び込むために、BOIは奨励事業の変更や追加、中小企業、スタートアップ企業への支援などを行う予定。

さらに、関税局の投資恩典(注)利用申請は、製造・商業用のフリーゾーンの設立、保税倉庫の設立の13件、約5億バーツとなっている。

SEZ入居企業は、上記の関税局の投資恩典や、中小企業の中古機械使用許可などの恩典だけでなく、地理的な優位性を生かし、ミャンマー、ラオス、カンボジアなど近隣諸国からの労働者も雇用することができ、労働者不足問題の解決と人件費削減のメリットがある。SEZで働く近隣諸国からの外国人労働者数は、2017年10月から2024年7月までの累計で、約66万人に達している。また、投資・近隣諸国労働者の雇用を円滑に進めるために、各SEZにワンストップサービスセンター(OSS)が設置されている。

(注)保税倉庫を設立する場合、申請者の資本金を1,000万バーツ以上から500万バーツ以上に減額する。フリーゾーンを設立する場合、申請者の資本金を6,000万バーツ以上から1,000万バーツ以上に減額する。

(高谷浩一、チャナットパット・スクマ)

(タイ)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください