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景況感は上向くも、厳しさ増す競争環境、ジェトロ「2024年度海外進出日系企業実態調査(全世界編)」(世界、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月27日 9時0分

添付資料PDFファイル(1 MB)

ジェトロは11月26日、「2024年度 海外進出日系企業実態調査(全世界編)」の結果を発表した(添付資料参照)。同調査は、海外に進出する日系企業活動の実態を把握し、日本企業や政策担当者向けに幅広く提供することを目的に、毎年、オンラインによるアンケート形式で実施している。最新の調査は2024年8月後半から9月にかけて、海外83カ国・地域で操業する日系企業1万8,186社を対象に実施し、7,410社から有効回答を得た(有効回答率40.7%)。

「黒字」割合が2年ぶりに増加、グローバルサウス諸国が牽引

2024年の営業利益見通しについて、「黒字」を見込む企業は2年ぶりに増加し、65.9%となった。インドやブラジル、メキシコ、ベトナムなど、グローバルサウスの主要国では、営業利益見込みが前年比で「改善」と答えた企業が5割前後となり、旺盛な内需が進出企業の業績改善を後押ししたとみられる。他方、業績悪化を見込む企業の割合は中国(42.2%)やタイ(32.3%)、ドイツ(29.4%)などで高く、日系企業の一大集積地での苦戦が続く。2025年の営業利益については、主力の自動車関連産業での改善見通しの低さが目立った。

今後の事業拡大には慎重な姿勢も、忍耐強く海外ビジネス継続

今後1~2年の事業展開の方向性に関する設問では、現地事業を「拡大」すると回答した日系企業の割合は45.2%となった。前年調査から1.8ポイント減で、新型コロナウイルス禍以降、5割を下回る水準で停滞が続いている。需要の不振が続く中国では、事業拡大を見込む企業の割合が21.7%と、過去最低を更新した。欧州も同割合が過去10年間で2020年に次ぐ低水準(46.2%)だった。他方、現地事業の移転・撤退を見込む企業は全地域でわずか1.0%、中国でも1.4%にとどまり、現地に腰を据え、忍耐強く新規市場開拓や製品・サービスの多角化に取り組む姿勢がうかがえる。

進出先での競争厳しさ増す中、営業強化や製品・サービスの多角化がカギ

2019年と比べた進出先市場でのシェアの変化を聞いた設問では、シェアが「増加」したと答えた企業の割合は39.3%で、特にインド(60.1%)やメキシコ(49.7%)で「増加」の割合が高かった。他方、タイや中国では同割合が3割を切った。

インドやブラジル、アラブ首長国連邦(UAE)などの新興市場では、欧米企業の存在感も大きく、競争相手の多様化が目立った。また、タイやベトナムでは、米中対立などを背景に、中国企業の進出が加速している状況が浮き彫りとなった。

競争相手の強みとして「コスト競争力」と回答した日系企業の割合が70.2%に上り、特に中国、タイでは8割前後と高かった。進出先市場での競争で特に力を入れている対策では、「営業・広報の強化」(40.2%)や、「製品・サービスの多角化」(33.8%)などが上位で、多くの国・地域でコストや価格による対策を選んだ割合を上回った。

(加藤遥平)

(世界、日本)

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