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米内務省、ネバダ州シルバーピークでのリチウム採掘プロジェクト承認(米国、オーストラリア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月28日 14時20分

米国内務省は10月24日、オーストラリアの鉱山会社イオニア(本社:ノースシドニー)による米ネバダ州南部のシルバーピーク山脈での「ライオライトリッジ・リチウムホウ素採掘プロジェクト」の開始を承認したと発表した。イオニアはトヨタとパナソニックの合弁企業のプライムプラネットエナジー&ソリューションズ(PPES、本社:東京都中央区)や、米フォードなどと供給契約を結んでいる(2022年8月3日記事参照)。建設開始は2025年、生産開始は2028年を予定している。

同プロジェクトでは、年間約37万台の電気自動車(EV)のバッテリー用リチウムを生産する見込みだ。また、鉱山の建設に最大500人、操業開始後は約350人の雇用を予定しており、操業期間中の年間推定賃金は合計で1億2,500 万ドルに上るにとみられる。

内務省のローラ・ダニエルデイビス副長官代行は「われわれは家族を支える雇用を創出し、地域経済を活性化し、環境的不公正に対処するのに役立つ強力で持続可能なクリーンエネルギー経済の構築に機敏に取り組んできた。ライオライトリッジ・リチウム鉱山プロジェクトは、クリーンエネルギーへの移行を前進させ、将来の経済を活性化するために不可欠だ」と述べた。また、米土地管理局(BLM)のトレイシー・ストーンマニング長官は「今回の決定は、BLMスタッフと米国魚類・野生生物局を含むパートナーの懸命な努力と献身の結果であり、バイデン・ハリス政権の気候目標をサポートしながら、環境を保護するアプローチを考案したものだ」と述べた。最終承認までの6年以上にわたり、採掘場所にある希少な花への影響など、気候変動と生物多様性のどちらを優先するのかについて、イオニアと先住民族や地方自治体、自然保護論者との激しい議論が行われてきたと報じられている(オートモーティブ・ニュース10月24日)。

英国の価格報告機関(PRA)ファストマーケットの予測によると、米国でのリチウム需要は2030年時点で炭酸リチウム換算で約41万2,000トンに達する。ネバダ州では、今回のプロジェクトと同じシルバーピーク山脈での米アルべマール(本社:ノースカロライナ州)による開発が稼働しているほか、米ゼネラルモーターズ(GM)が投資を発表したタッカーパス鉱山でのカナダのリチウムアメリカズによる開発計画が進みつつある(2023年2月1日記事参照)。10月24日には米財務省が発表したクリーンエネルギー関連部品の生産設備への税額控除に関する最終規則の中に、新たに米国内で発生した重要鉱物の取得費用なども控除の対象に含めるなど、政府によるバッテリー材料の国内確保に向けた努力が加速している(2024年10月25日記事参照)。

(大原典子)

(米国、オーストラリア)

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