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2024年のダブルイレブン、販売促進にAIツール活用も(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月21日 0時50分

中国の電子商取引(EC)大手のアリババは11月12日、中国最大のECイベント「双十一」(ダブルイレブン、注1)期間中(10月14日~11月11日)の販売促進活動結果を発表した。

アリババの発表では、売上高は前年比増となり、商品を購入したユーザー数は過去最高を記録したという(ただし、具体的な増加率などは公表されていない)。なお、今回のイベント期間は、2023年開催時に比べ10日間長く設定された(2023年11月22日記事参照)。

また、同発表によると、同社のECプラットフォーム「淘宝(タオバオ)」のVIP会員である「88VIP会員」(注2)による消費が牽引し、11月11日時点で対象商品を購入した88VIP会員数は前年比で50%増加したとした。

同期間中に売上高が1億元(約21億円、1元=約21円)を超えたブランド数は589ブランドと、過去最多となった。また、米アップルや中国家電大手のハイアール(海爾)、ナイキ、小米(シャオミ)、高級白酒の五粮液など45ブランドの売上高は10億元を超えた。

これまでも高い人気を誇ったアパレルや美容用品、家電ブランドなどの販売が好調だったことに加え、家電買い替え推進に関する補助金制度(注3)なども売り上げを押し上げた。同イベントの対象商品に政府の補助金制度の対象品目が含まれるのは初めてで、上海市や浙江省など複数の地方政府は同イベント期間中、家電製品の買い替えに対し、1件当たり最高2,000元を補助するとした。また、ミレニアル世代とZ世代の消費スタイルの変化が新たな商品分野の台頭を後押しした(注4)。デザイナーズトイおよびコレクタブルトイ(フィギュア)の4ブランドと、スポーツ・アウトドアの34ブランドの売上高が1億元を突破した。

アリババが運営する淘宝(タオバオ)と天猫(Tmall)は、高性能の人工知能(AI)を活用したマーケティングツールを提供し、出店者を支援している。具体的には、マーケティング用の画像、動画、文字素材を生成するAIサービスを提供し、各社のマーケティング費用の低減につなげている。同サービスを利用した出店者は10月から累計で400万社に上った。また、関連ツールの提供を通じ、80万社を超える出店者が200万回超のwebトラフィック分析を行い、より消費者の嗜好(しこう)に沿ったアプローチを可能としたとしている。

(注1)中国の一大ECセールイベント。ダブルイレブンは11月11日を指す。アリババが2009年に「ネットショッピングを楽しむ日」として始めた。

(注2)88VIPの会員費は年間88元(約1,848円、1元=約21円)。会員は天猫スーパー、天猫国際直営店から、世界88ブランドの商品を年間9.5割引で購入でき、アフターサービス保障も充実している。2024年6月までの88VIP会員人数は4,200万人とされている。

(注3)2024年3月に商務部など14部門が発表した「消費財の買い替え推進行動プラン」を指す(2024年3月22日記事参照)

(注4)「ミレニアル世代」は1981~1996年生まれ、「Z世代」は1997~2012年生まれを目安とする(2023年1月10日付地域・分析レポート参照)。

(尹世花)

(中国)

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