ベトナムの高度外国人材の実態を探る(日本、ベトナム)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月23日 0時0分
ひろしま産業振興機構は12月1~5日、ベトナムの人材育成や企業内での活躍の現場視察を目的に、「ベトナムビジネス視察研修」を実施した。研修では、成長が著しいベトナムの企業や大学を訪問し、人材育成やビジネス環境について現地関係者から話を聞き、実態を把握した。この視察訪問ではベトナム人材の有能さが実感され、日本の地方の中小企業でも活躍できる可能性が十分にあるとの理解を深めた。同研修には広島県内の事業者7社、広島県、広島銀行が参加したほか、ジェトロもベトナム高度人材の活用に意欲のある県内企業の支援を目的に参加した。
視察団一行はIT人材を多く輩出している実態を理解するため、FPT大学を訪問した。同大学では、学生全員が日本語を学ぶことを目標としており、日本への留学やインターンシッププログラムを通して、日本企業への就職をサポートしている。
同大学出身のIT人材を多く受け入れているのがFPTソフトウェア開発センターだ。同センターは1999年設立のベトナム最大手のIT企業で、国外30カ国・地域に86カ所の拠点を設けており、そのうちアジアでは日本、シンガポール、中国などに開発センターを持つ。近年、日本企業からのオフショア開発の依頼が増えており、その理由として、同センターは「豊富なIT人材、通信・IT領域の急成長、安定した政治と経済」を挙げた。
(左)FPTソフトウェア開発センター(ひろしま産業振興機構提供)、(右)FPT大学の正門付近(ジェトロ撮影)
また、精密板金加工などを手掛ける広島メタルワーク・ベトナムでは、ベトナム人社員の定着に向けた取り組みについて説明を受けた。同社は広島本社をはじめ、日本から受注しているオフショア開発企業。首都ハノイ郊外に立地し、周辺に住む人材を採用してCADの教育を行い、技術を身に付けさせている。同社の田中宏幸マネジャーは、中国企業などの進出によって人材の獲得や定着には苦労する面もあるとしつつ、「ベトナム人社員とは社員旅行や食事会を行い、家族の一員として扱うことで、企業への愛着を深めてくれる」と述べた。
今回参加した企業の中には、ベトナムの高度人材の採用を検討している企業もあったが、視察研修を終えてベトナム人材の採用に本気で取り組むとの声が多く上がった。ジェトロは高度外国人材事業を通じて、広島やベトナムでのさらなる高度外国人材の活躍・定着を支援してゆく。
(林和彦)
(日本、ベトナム)
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