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2023年の中東・北アフリカの郷里送金受入額、前年比14.8%減の550億ドルに(中東、エジプト、レバノン、モロッコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、湾岸協力会議(GCC)、アフリカ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月3日 0時10分

世界銀行は6月26日、移民と開発に関する報告書「Migration and Development Brief」の中で、中・低所得国向けの郷里送金額(推定値)は、2023年に前年比0.7%増の6,560億ドルに達したと発表した。2023年の郷里送金額は、対内直接投資(FDI)と政府開発援助(ODA)を上回ったという。

同報告書によると、中東・北アフリカ向けでは550億ドルで、前年比14.8%の減少となった。為替レートの要因で主にエジプト向けの送金が急減したほか、地域情勢の悪化、湾岸協力会議(GCC)諸国の成長鈍化にも影響受けたという。2024年には4.3%回復するとの見通しだ。

中東・北アフリカ向けの郷里送金の推移と予測は次のとおり。

2019年:570億ドル
2020年:590億ドル
2021年:670億ドル
2022年:650億ドル
2023年:550億ドル(推計)
2024年:580億ドル(予測)
2025年:610億ドル(予測)

郷里送金受取額、中東・北アフリカはエジプト、モロッコの順

2023年の国別の郷里送金受取額は、インド、メキシコ、中国の順だった。中東・北アフリカでは、エジプトが中・低所得国の中の9位だったが、前年比31%減と大幅な減少を見せた。モロッコは5.2%増加した。中東・北アフリカの国・地域別の2023年郷里送金受取額の上位は次のとおり。

エジプト:195億ドル
モロッコ:118億ドル
レバノン:60億ドル
ヨルダン:45億ドル
イエメン:38億ドル
パレスチナ自治区(ヨルダン川西岸・ガザ):35億ドル
チュニジア:27億ドル
アルジェリア:19億ドル

外貨収入を送金に依存している国・地域には、レバノン(GDP比27.5%)、パレスチナ自治区(18.8%)、ヨルダン(8.9%)、モロッコ(8.2%)、チュニジア(5.2%)、エジプト(5.0%)などがある。

送金元国は、世界でサウジアラビアが2位

送金元国は、世界で米国が最大で、サウジアラビアが前年から金額は減少したが2位、スイスが3位だった。サウジアラビアでは移民数が1,346万人で、米国(5,323万人)、ドイツ(1,819万人)に次いで世界3位となり、海外からの出稼ぎ労働者も多い。そのため、労働者の郷里への送金額も多い。アラブ首長国連邦(UAE)の移民受け入れ人数も872万人で世界8位となっているほか、GCC諸国ではアジアや中東・北アフリカ諸国からの移民・出稼ぎ労働者が多い。一方で、サウジアラビアなどでの減少もあり、2023年はGCC全体では前年比13%減となった。

なお、中東・北アフリカへ200ドルを送金する際の手数料・コストは、平均5.9%で2022年の6.7%から減少した。

(井澤壌士)

(中東、エジプト、レバノン、モロッコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、湾岸協力会議(GCC)、アフリカ)

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