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2023年の西アフリカ経済通貨同盟地域のGDP成長率は5.3%(コートジボワール、ベナン、ブルキナファソ、ギニアビサウ、マリ、ニジェール、セネガル、トーゴ、西アフリカ経済通貨同盟地域(UEMOA))

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月10日 0時50分

フランス語圏西アフリカ8カ国(注)が加盟する西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)の共通発券機関の西アフリカ諸国中央銀行(BCEAO)は9月23日、2023年の年次報告書を発表した。UEMOA地域の2023年実質GDP成長率は、輸出の伸び悩みで外需が下振れするものの、内需の堅調さが景気を押し上げて成長を牽引し、5.3%となった。

BCEAOによると、同地域の経済活動は、世界的な経済停滞や西アフリカ地域の社会・政治情勢、安全保障など不安定要因を抱えるものの、おおむね好調に推移した。生産活動は堅調な内需を反映し、農業、食料品、石油製品、化学品、紙・段ボールをはじめとする製造業、エネルギー、建設・土木、商業、サービス部門とも全般に好調だった。

インフレ率は、農業生産が好調だったことから穀物など食糧供給が安定し、食料品価格が抑制されたことや、主要輸入品目の輸入価格が下落したことで、3.7%となり、2022年の7.4%から低下した。BCEAOの金融政策委員会は中期的な物価上振れリスクを懸念し、2022年6月時点で2%だった政策金利を2023年12月に3.5%に達するまで6回にわたって引き上げている。

地域諸国の財政赤字は、税収を中心に収入が増加する一方、支出が抑制されたことから、GDP比5.2%に改善された。対外債務残高はGDP比36.6%の4兆3,862億CFAフラン(約1兆966億円、1CFAフラン=約0.25円)だった。なお、対内債務と対外債務を合わせた同地域の公的債務の収斂目標値はGDP比70%以下となっている。外貨準備高は2023年12月末、財とサービス輸入の3.5カ月分の1兆1,492億CFAフランで、前年の4.3カ月の水準から減少した。

BCEAOが9月27日に発表した通貨政策レポートによると、2024年と2025年のGDP成長率はそれぞれ5.9%、6.9%、インフレ率はそれぞれ3.7%、2.9%の見通し。外貨準備高は、2024年4.1カ月、2025年5.1カ月に改善される見込みだ。

BCEAOは、地域経済が引き続き好調との見通しを示す一方、下振れリスクとして、国際経済情勢、地域の社会・政治情勢、気候変動の影響などの要因を指摘している。

(注)ベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、ギニアビサウ、マリ、ニジェール、セネガル、トーゴ。

(渡辺久美子、橘欣子)

(コートジボワール、ベナン、ブルキナファソ、ギニアビサウ、マリ、ニジェール、セネガル、トーゴ、西アフリカ経済通貨同盟地域(UEMOA))

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