1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

第1四半期GDP成長率は前年同期比1.5%と前期から鈍化、財輸出、公共投資などがマイナス要因(タイ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月29日 0時5分

添付資料PDFファイル(205 KB)

タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)は5月20日、2024年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率が前年同期比1.5%だったと発表した(添付資料表参照)。サービス輸出、個人消費、民間投資の拡大が牽引役となったものの、財輸出、公共投資、政府消費が縮小し、2023年第4四半期(10~12月)の1.7%から鈍化した。他方、季節調整済み前期比では1.1%で、2023年第4四半期のマイナス0.4%から加速した。

2024年第1四半期の実質GDP成長率を需要項目別でみると、個人消費支出は前年同期比6.9%で、前期(7.4%)からやや減速したものの、引き続き好調だった。宿泊施設、飲食サービスは42.7%増と、前期(35.4%増)からさらに加速した一方で、家計での自動車購入の減少が主因として影響し、耐久財支出は6.8%減(前期3.7%増)と、個人消費支出の内訳項目で唯一のマイナスとなった。

総固定資本形成は前年同期比マイナス4.2%で、前期(マイナス0.4%)から減速した。民間投資は4.6%増と、前期(5.0%増)に続いてプラスで推移した一方で、公共投資は27.7%減で、前期(20.1%減)からマイナス幅が拡大した。これは、2024年度(2023年10月~2024年9月)の予算承認が遅れたことにより、政府投資が前年同期比46.0%減と激減したことが大きな要因だ。

輸出は前年同期比2.5%増と、前期(4.9%増)より鈍化した。堅調な外国人観光客数を受けて、サービス輸出は24.8%増と、前期(14.9%増)からも拡大し、引き続き2桁台で伸びた一方、財輸出が2.0%減と、マイナスに転じた。財輸出では、中国向けのエビが好調で、水産品の輸出が改善したが、農産品や製造品の輸出が減少した。農産品では、ベトナム産の低価格ドリアンの影響を受けて、中国向けドリアンの輸出が減少した。また、製造品では、主にピックアップトラックの輸出が減少し、中でもオーストラリア向けが増加した一方、特にラテンアメリカ、ASEAN、中東、アフリカ向けが減少した。

なお、NESDCは2024年のGDP成長率を2.0~3.0%(中間値2.5%)と予測し、前回予測〔2.2~3.2%(中間値2.7%)〕から下方修正、同様に、財輸出は2.0%と、前回予測(2.9%)から引き下げた。消費者物価上昇率も、0.1~1.1%(中間値0.6%)と、前回予測〔0.9~1.9%(中間値1.4%)〕から下方修正しており、タイ中央銀行のターゲットレンジ(1.0%~3.0%)を下回る予測となった。

(藤田豊)

(タイ)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください