欧州委、水素分野のIPCEI国家補助第4弾を承認、モビリティ分野での技術開発を支援(EU、エストニア、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スロバキア、スペイン、ベルギー、ハンガリー)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月29日 13時35分
欧州委員会は5月28日、7加盟国(注1)が共同申請した交通・モビリティ分野における水素プロジェクト群「Hy2Move」を「欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」として承認した(プレスリリース)。加盟国は、対象となる13プロジェクトに参加する、中小企業やスタートアップを含む11企業に対し、最大14億ユーロの国家補助が可能となる。プロジェクトには、33億ユーロの民間投資も期待される。
「Hy2Move」は、(1)燃料電池技術をバスやトラックに組み込むためのプラットフォームの設計など、水素技術の交通・モビリティ分野での応用、(2)船舶や機関車向けなどの高性能燃料電池技術の開発、(3)小型航空機向けなどの次世代機内貯蔵技術の開発、(4)オンサイト型充填(じゅうてん)ステーション向けの燃料電池用高純度水素の製造技術の開発など、バリューチェーンにおける幅広い水素技術の開発を支援する。
EUは、電化が難しいエネルギー集約型産業や長距離輸送などにおける脱炭素化策としてグリーン水素(2023年6月30日記事参照)を推進。2030年までに年間2,000万トンのグリーン水素の域内供給を目指し、IPCEIなどの国家補助を中心に財政支援を実施している(2023年6月9日付地域・分析レポート参照)。今回承認された「Hy2Move」は、水素技術の開発に関する「Hy2Tech」(2022年7月19日記事参照)、産業界での水素活用に関する「Hy2Use」、水素インフラ整備に関する「Hy2Infra」(2024年2月22日記事参照)に次ぐ水素関連IPCEIの第4弾。
医薬品分野で初となるIPCEIも承認
欧州委は同日、研究開発プロジェクト群「Med4Cure」をヘルスケア・医薬品分野のIPCEIとして初めて承認した(プレスリリース)。共同申請をした6加盟国(注2)は、対象となる14プロジェクトに参加する13企業に対して、最大10億ユーロの国家補助が可能となる。支援対象となるのは、希少疾患などを対象とした創薬や革新的かつ持続可能な製薬プロセスの開発などに関するプロジェクトだ。
(注1)エストニア、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スロバキア、スペイン。
(注2)ベルギー、フランス、ハンガリー、イタリア、スロバキア、スペイン。
(吉沼啓介)
(EU、エストニア、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スロバキア、スペイン、ベルギー、ハンガリー)
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