韓国、2024年のGDP成長率は2.0%、輸出好調も内需が低迷(韓国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月30日 0時20分
韓国銀行(中央銀行)は1月23日、2024年第4半期(10~12月)と2024年通年の実質GDP成長率(速報値)を発表した。第4四半期の成長率は前期比0.1%だった。通年の成長率は前年比2.0%で、同行が2024年11月に発表した「2024年経済展望」より0.2ポイント低かった。
2024年第4四半期の支出項目別実質GDP成長率(前期比)は次のとおり(添付資料表1参照、前年同期比の支出項目別実質GDP成長率は添付資料表2参照)。
民間消費:「準耐久消費財」(衣類、靴など)、医療、教育などのサービス消費を中心に、0.2%増。
政府消費:社会保障制度による現物給付を中心に、0.5%増。
建設投資:建築および土木が減少し、3.2%減。
設備投資:半導体製造装置等の機械類を中心に、1.6%増。
輸出入:輸出は半導体などのIT品目を中心に、0.3%増。輸入は自動車、原油などを中心に、0.1%減。
2024年通年の実質GDP成長率(前年比)を支出項目別にみると、民間消費の増加幅が縮小し(1.1%増)、建設投資は減少(2.7%減)したものの、政府消費(1.7%増)、設備投資(1.8%増)は増加した。また、輸出の増加幅が拡大(6.9%増)した。
通年のGDP成長率が当初の見通しを下回った理由として、まず、建設投資が予想以上に不振だったことが挙げられる。さらに、2024年12月3日に戒厳令が宣布されて以降(2024年12月4日記事参照)、政局が不安定になったことも消費者心理に影響を及ぼした(「MoneyToday」2025年1月23日)。
韓国銀行のシン・スンチョル経済局長は2025年の経済成長率について、「建設投資の不振が続き、第1四半期の成長率が0.5%より低く出る可能性がある。国内政局の不確実性の高まりや第2次トランプ米政権発足は、年間経済成長率に影響を及ぼすだろう」との展望を示した。
(益森有祐実)
(韓国)
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