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米副大統領候補者討論会、対立しつつも冷静な議論を展開(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月2日 15時55分

米国のCBSニュースは10月1日、11月の米国大統領選挙において民主党副大統領候補のティム・ウォルズ・ミネソタ州知事と共和党副大統領候補のJ.D.バンス連邦上院議員(オハイオ州)による討論会をニューヨークで開催した。副大統領候補による討論会は今回が唯一で、選挙前の正副大統領候補者による討論会としてもこれが最後となる見込みだ。

これまでに2回行われた大統領候補者討論会と同様、司会者が有権者の関心が高い課題について両候補へ順番に質問し、質問を受けた候補者が2分以内で主張を展開し、相手方は1分以内で反論を行うという流れで約90分間行われた。両候補者とも、相手陣営の大統領候補者や政策提案を批判し、司会者からの質問に直接答えない場面はあったものの、テーマによっては政策レベルで冷静に議論を戦わせた。前回のカマラ・ハリス副大統領(民主党)とドナルド・トランプ前大統領(共和党)の討論会が、おおむね非難の応酬に終始したのとは対照的な内容となった(2024年9月11日記事参照)。

司会者からの序盤の質問は中東情勢に続き気候変動問題となり、これまでの2回の大統領候補者討論会が経済問題から始まったことから、両候補者ともやや意表をつかれたかたちとなった。中東情勢では、イスラエルによるイランに対する先制攻撃を支持するかとの問いに対して、両候補者とも相手の党の政策方針は批判しつつも、同盟国であるイスラエルを支援するという点では一致した発言を行った。気候変動問題では、バンス氏が議論を米国内への製造業回帰に誘導し、製造業振興においてどちらの党が効果的な政策を打てるかで舌戦となった。ウォルズ氏は、バイデン・ハリス政権はまさにインフレ削減法(IRA)でクリーンな製造業の活性化に史上最大規模の投資を進めている点を強調した一方、バンス氏は、IRAでは中国製のソーラーパネルにも米国民の税金が流れ込んでいると批判した。その上で、新規の原子力発電所の建設や天然ガス開発の推進など、国内でのエネルギー生産に投資すべきだと説いた。

そのほか、移民、経済、人工妊娠中絶、銃犯罪といった順序で司会者から質問が投げかけられ、両候補者は自らの党の政策方針を主張した。人工妊娠中絶については、共和党は厳格に禁止すべきとの以前の立場から、州が決める問題との立場を鮮明にしており、バンス氏はその主張を繰り返した。大統領候補のトランプ氏も討論会の最中にX(旧Twitter)で、「連邦レベルの中絶禁止はいかなる状況でも支持しないし、(そのような法案には)拒否権を発動する。その判断は有権者の意思(人々の意思!)に基づいた各州に委ねられているからだ」と投稿して同調した。

閉会スピーチでは、両候補者とも相手方の批判は交えつつも、自らの陣営の方がより良い成果を生み出せるというかたちで優位性をアピールし、有権者に投票を呼びかけて締めくくった。

ジェトロの特集ページ「2024年米国大統領選挙に向けての動き」では、大統領選挙に関する最新動向を随時紹介している。

(磯部真一)

(米国)

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