テレビ番組「セター首相との対話（Talk with Srettha）」第1話が放送、原子力発電について言及（タイ）

セター・タビシン首相は、タイ国営放送（NBT）が2024年6月22日に開始したテレビ番組「セター首相との対話（Talk with Srettha）」の第1回に出演し、司会を務めた。この番組は、首相と国民との直接的なコミュニケーションを促進することを目的に企画された。

セター首相は就任後の海外歴訪について振り返り、日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議に出席するために東京を訪問したこと（2023年12月21日記事参照）やスリランカでの自由貿易協定（FTA）調印式への出席などを取り上げた（2024年2月8日記事参照）。セター首相は、これらの外国訪問はより多くの外国投資を呼び込むことを目的とし、これまで多くの訪問先で外国人投資家から好意的な評価を得ているとも付け加えた。

視聴者から外交方針について質問された同首相は、タイは対外的に中立の立場を有しているため、どの国の企業に対しても分け隔てなくビジネスを支援する用意があると述べた。また、昨今の大国間の対立や地政学的リスクによって、タイでのサプライチェーンが寸断されないことを保証すると発言した。特に、他国との連結性については、タイを地域の航空ハブとする開発が主要政策の1つとして進められているほか、ランドブリッジ構想のような大型インフラ開発計画もあると述べた（2024年3月5日記事参照）。

他方、セター首相はこれまで提案した構想の中には、原子力発電施設の開発など、政府内や国民から理解を得るのが難しい計画もあると発言した。しかし、高騰するエネルギーコストに対処するためには、原子力発電所で発電されたエネルギーも検討する必要があるとの考えを示した。その上で、同首相は、タイにおける原子力発電所の実現可能性について調査を指示すると同時に、当該テーマについて国民と対話するよう関係機関に指示したと述べた。

（ピンラウィー・シリサップ、藤田豊）

（タイ）