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トランプ前大統領、政権奪取後に米国の労働者を守るために実施する10項目を発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年2月7日 14時25分

米国の2024年大統領選挙共和党予備選挙で首位を走るドナルド・トランプ前大統領の選挙陣営は1月31日、同氏が大統領になった際に、米国の労働者を守るために実施する10項目を発表した。その多くが、通商や自動車産業に関連する内容となっている。

トランプ氏の選挙陣営が発表した10項目は次のとおり。

中国の最恵国待遇(MFN)を撤回し、中国やその他の貿易乱用国に厳しい罰則を科す。米国外の自動車部品製造は、最初にターゲットとする分野の1つで、自動車部品製造を中国から米国に大規模に取り戻す。
「バイ・アメリカン(米国製品を買う)」と「ハイヤー・アメリカン(米国人を雇用する)」の促進により、米国の雇用と労働者を保護する。
政権発足初日に国境を封鎖し、何百万人もの不法な低賃金労働者を米国に流入させるジョー・バイデン大統領の無法な措置を阻止する。
政権発足初日にバイデン大統領による電気自動車(EV)普及命令を廃止し、米国の自動車雇用を奪う規制を全て取りやめる。
米国のエネルギーを開放し(注1)、ガソリン車の販売禁止をやめ、「ドリル・ベイビー・ドリル」(注2)を実施する。
関税計画は、世界の貿易システムをリバランスし、米国を劇的に強化する新たな国家製造業戦略構想の要となる。
米国人に対する税金を引き下げる一方で、輸入製品に対する関税を引き上げる。
北米自由貿易協定(NAFTA)を廃止して、代わりに発効させた米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の上に成功を築く。
自由貿易主義者の攻撃から、米国の自動車労働者を守るUSMCA規定(注3)を保証する。
自動車の価格を引き上げる企業別平均燃費基準(CAFE、2023年10月4日記事参照)を廃止する。

そのほか、トランプ氏が政権を担っていた際に米国の労働者のために実現した成果として、環太平洋パートナーシップ(TPP)からの離脱、パリ協定からの離脱、米韓FTAにおけるピックアップトラックへの関税撤廃の延期、中国産自動車への27.5%の関税(注4)などを挙げている。

ジェトロの特集ページ「2024年米国大統領選挙に向けての動き」では、大統領選挙に関する最新動向を随時紹介している。

共和党予備選挙は1月末までにアイオワ州とニューハンプシャー州で終了し、いずれも、トランプ氏が勝利を収めている(2024年1月24日記事参照)。次回は2月8日にネバダ州(注5)、米領バージン諸島で予定されている。

(注1)エネルギー省は1月30日に、液化天然ガス(LNG)のFTA非締結国向け輸出許可の発給を一時停止すると発表している(2024年1月30日記事参照)。

(注2)もともとは石油採掘を促す、2008年の共和党大会での選挙スローガン。2023年5月にCNNが主催した集会で、トランプ氏が、ガソリン価格を下げるために必要な対策として発言した。

(注3)USMCAの完成車に対する厳しい原産地規則(2019年5月8日付地域・分析レポート参照)を指しているとみられる。

(注4)自動車へのMFN税率2.5%と1974年通商法301条に基づく追加関税率25%の合計。

(注5)ネバダ州は、州法で定められた予備選挙を2月6日に、共和党が決定した党員集会を2月8日に開催する。ヘイリー氏は予備選挙に、トランプ氏は党員集会に候補者登録をしている。共和党は、党員集会の結果を踏まえて代議員の配分を決定するとしている。

(赤平大寿)

(米国)

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