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2023年の中東での天然ガス生産1.6%増、イランが世界3位、LNG輸出はカタールが世界2位(中東、サウジアラビア、イラク、アラブ首長国連邦、カタール、オマーン、イラン、日本、中国、米国、ロシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月21日 13時45分

英国の国際的なエネルギー関連団体であるエネルギー研究所が6月20日に公表した報告書「世界エネルギー報告」によると、世界の2023年の天然ガスの生産量は前年比0.3%増の4兆592億立方メートルだった。中東での生産量合計は1.6%増の7,127億立方メートルで、世界シェア17.6%を占めた(注)。

国別の天然ガス生産量をみると、米国が前年比4.2%増の1兆353億立方メートルと最大で世界シェア25.5%だった。ロシアが同5.2%減の5,864億立方メートル、イランが同1.6%増の2,517億立方メートル、中国が同5.6%増の2,343億立方メートルと続いた。中東の主要な天然ガス産出国の世界順位と生産量の世界シェアは次のとおり。

イラン:3位、シェア6.2%
カタール:6位、シェア4.5%
サウジアラビア:9位、シェア2.8%
アラブ首長国連邦(UAE):15位、シェア1.4%
オマーン:18位、シェア1.1%

カタールはLNG輸出2位、最大輸入国は中国

液化天然ガス(LNG)の輸出量は、世界で前年比1.8%増の5,492億立方メートルだった。国別では、前年3位の米国が前年比9.4%増の1,144億立方メートル(世界シェア20.8%)で最大だった。前年首位のカタールは同2.0%減の1,084億立方メートルで2位、オーストラリアは3位で1,074億立方メートルとなった。中東ではオマーンが世界シェア2.8%、UAEがシェア1.4%だった。

カタールからのLNGの最大の輸出先は229億立方メートルの中国、次いで、インド、韓国が続いた。オマーンからの最大の輸出先は69億立方メートルの韓国、次いで日本、中国の順だ。UAEからの最大の輸出先は45億立方メートルのインド、次いで日本、中国の順だった。

輸入国では、前年2位の中国が前年比12.4%増で978億立方メートル、世界シェア17.8%となった。前年首位の日本は世界シェア16.4%、韓国が同11.0%で続いた。中国の輸入元は、オーストラリア、カタール、ロシアの順だった。日本の輸入元はオーストラリアからの375億立方メートルが最大で、中東ではカタールから40億立方メートル、オマーンから30億立方メートル、UAEから11億立方メートルだった。なお、インドのLNG輸入量は9.1%増だった。

パイプラインでの輸出は減少続く

天然ガスのパイプラインでの輸出量は世界で前年比8.3%の減少で、前年の16.2%減に続いての減少となった。ロシアの輸出が23.6%減少し、中東の輸出も41.5%減となっている。欧州のパイプラインでの輸入は26.3%減少したが、中国は5.0%増加した。

天然ガス価格は、2022年にはウクライナ危機もあり、オランダTTF価格が年間平均で100万英熱量単位(MMBtu)当たり約37.09ドルと記録的な高水準だったが、2023年は12.87ドルと落ち着きを見せ、2021年の15.67ドルよりも低い水準だった。

(注)同報告書では、イラン、イラク、イスラエル、ヨルダン、レバノン、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、シリア、UAE、イエメンを中東に含む。

(井澤壌士)

(中東、サウジアラビア、イラク、アラブ首長国連邦、カタール、オマーン、イラン、日本、中国、米国、ロシア)

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