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ルーラ・ブラジル大統領が欧州訪問、EUとのFTA再交渉進展にも言及(ブラジル、EU、フランス、アルゼンチン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月21日 11時50分

ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領は6月15日に記者会見を開き、6月13~15日に実施した欧州への訪問の総括をした。大統領は6月13日にスイスのジュネーブで開催されたILO第112回総会に、14日にはイタリア・プーリアで行われたG7サミットの人工知能(AI)、エネルギー、アフリカ、地中海に関するワーキングセッションに参加した。また、今回の訪問ではスイス、トルコ、インド、フランス、ドイツ、イタリアなどの各国首脳に加え、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長、ジルベール・ウングボILO事務局長、ローマ教皇らとのバイ会談を実施した。

ルーラ大統領は記者会見の冒頭、今回の訪問で最も重要だったこととして、いまだ署名に至っていないEU・メルコスール自由貿易協定(FTA)についてフォン・デア・ライエン委員長と話し合ったことを真っ先に挙げた。大統領は「ブラジル側はあらゆる修正を行ったので、EU側の準備ができた時に署名ができる準備が整っている」と説明した。

また、6月6~9日に実施された欧州議会選挙について触れ、「フォン・デア・ライエン委員長は3週間ほどで現在の職(欧州委員会委員長)に再選するはずだ。フランスの(エマニュエル・)マクロン大統領(注)でさえ、協定について取り上げた際は柔軟だったので、選挙〔国民議会(下院)選挙〕が終わるまで待機する必要がある」と発言し、同FTAの発効を巡っては「楽観視している」と述べた。

アルゼンチン・ミレイ大統領と初となる首脳会談は実現せず

G7のワーキングセッションには、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領も招待国として参加した。イタリアの現地メディアの間では、ミレイ大統領就任後初となる両国の首脳会談の可能性が報じられていたが、結局実現することはなく、あいさつを交わすこともなかった。ルーラ大統領は2023年12月のミレイ大統領就任式に出席せず、ミレイ大統領はルーラ大統領を「腐敗した共産主義者」と呼ぶなど、首脳レベルの関係は冷え込んでいるが、ハイレベルで外交関係は維持していると、ブラジルのメディアは報道している。

(注)フランスは、EU・メルコスールFTAの内容が気候変動や森林破壊に関する問題に配慮されていないことや、自国の農業界の反発を理由に、同FTAの発効に強く反対している国の1つ。マクロン大統領は同FTAについて「20年前に交渉が始まった時代遅れで矛盾した協定」と発言しており、2024年3月に開催されたブラジル・フランス経済フォーラムで登壇した際には、「開発、気候、生物多様性に配慮した新たな貿易協定を作ろう」と呼びかけていた。

(小西健友)

(ブラジル、EU、フランス、アルゼンチン)

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