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2024年の米年末商戦、2018年以降で最も小幅な伸びにとどまる見通し(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月17日 10時55分

全米小売業協会(NRF)は10月15日、2024年の年末商戦期間(11~12月、注1)の小売売上高が前年同期比2.5~3.5%増の9,795億~9,890億ドルになる見通しを発表した。インフレの影響で2023年の年末商戦の小売売上高を上回る見込みだが、伸び率は前年の3.9%を下回り、2018年以降で最も小幅な伸びにとどまる、としている。

小売売上高の中で伸びが目立つのは、電子商取引(EC)でのネット販売を含む無店舗小売りで、前年同期比8~9%増の2,951億~2,979億ドルと見込んでいる。

同期間の小売業者による臨時雇用者数は40万~50万人と、2023年の50万9,000人を下回ると予想としている。米国の再就職支援会社チャレンジャー・グレイ&クリスマスが9月に発表した小売業の臨時雇用者数も52万人と、2009年以降2番目に低い水準にとどまるとしており、ほぼ合致している(2024年9月26日記事参照)。

今回の発表について、NRFのチーフエコノミストのジャック・クラインヘンズ氏は「われわれは、2024年下半期に予想される経済活動と成長のペースについて引き続き楽観視している。家計は良好で、ホリデーシーズンに向けた旺盛な支出の原動力となっているが、消費者はより慎重に支出するだろう」との見方を示した。

また、11月5日の米国大統領選挙に加え、9月末から10月上旬にかけて米国南東部に甚大な被害をもたらした大型ハリケーン「へリーン」や「ミルトン」の影響など、複数の懸念要因があり、これらが個人消費に影響を与える可能性も指摘している。また、2024年は感謝祭(11月28日)からクリスマスまでが26日間で、例年の商戦期間よりも5日短く、小売り各社は早い段階でプロモーションを積極的に打ち出している。

消費者に直接販売するECプラットフォームを手掛けるESWが実施したアンケート調査(注2)によると、61%がホリデーシーズンに平均600ドル以上費やすと回答しており、2023年の48%を上回った。他方、支出を減らすと答えた消費者のうち、47%が主な理由として食料品やガソリン価格の高騰を挙げた。消費者の慎重な購買行動が顕著になる中で、66%の買い物客が最も考慮するのは「品質と価格」だった(「チェーンストアエイジ」誌電子版10月7日)。

(注1)毎年11月第4木曜日の感謝祭(Thanksgiving Day)からクリスマスまで続く。前後の週末には長めの休暇を取る人も多く、「ホリデーシーズン」とも呼ばれ、感謝祭翌日には日本でも知られるようになったブラックフライデーセール(値下げによる売り上げ増で企業が黒字になるというのが由来)が各小売店で展開される。

(注2)調査は2024年8月29日に米国の成人1,107人を対象に実施された。

(樫葉さくら)

(米国)

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