2025年のGDP成長率目標は約6.5～7.0％に、国会が決議を採択（ベトナム）

ベトナム国会は11月12日、2025年の主要な社会・経済目標を定めた「2025年社会・経済発展計画」の決議を採択した（注1）。15項目から構成される目標のうち、GDP成長率の目標は約6.5～7.0％を設定したが、努力目標として成長率7.0～7.5％を掲げた。消費者物価指数（CPI）上昇率の目標は約4.5％以内とした。

2025年の主要な社会・経済発展目標15項目は次のとおり。かっこ内は2024年の目標値（2023年11月21日記事参照）。

1. GDP成長率は約6.5～7.0％、努力目標は約7.0～7.5％（約6.0～6.5％）
2. 1人当たりGDPは約4,900ドル（約4,700～4,730ドル）
3. GDPに占める製造業の割合は約24.1％（約24.1～24.2％）
4. CPI上昇率は約4.5％（4.0～4.5％以内）
5. 労働生産性の上昇率は約5.3～5.4％（4.8～5.3％）
6. 農業就業者の割合は25～26％（26.5％以内）
7. 訓練を受けた労働者の割合は約70％（69％）。そのうち、訓練を受けた資格・修了証を有する労働者は約29～29.5％（約28～28.5％）
8. 都市部の失業率は4％未満（4％未満）
9. 貧困率（多次元貧困の基準に基づく、注2）は約0.8～1ポイント減（1ポイント以上減）
10. 1万人当たりの医師数は約15人（約13.5人）
11. 1万人当たりの病床数は34.5床（約32.5床）
12. 健康保険の加入率は95.15％（94.1％）
13. 新農村基準（注3）を満たす村の割合は約80.5～81.5％（80％）
14. 都市部の日常生活における固形廃棄物の収集・処理の割合は95％（95％）
15. 環境標準を満たす集中型排水処理システムが整備された工業団地・輸出加工区の割合は92％（92％）

2025年は2021～2025年の5カ年の社会・経済発展計画の最終年に当たるため、各目標を最高水準で達成するべく努めるよう、政府に求めた。

また、国会は、本決議に併せて、重要プロジェクトを中心としたインフラ開発への公共投資の執行加速や、汚職・浪費（時間や資金を無駄にする行為）などを防止する管理・規律強化、不良債権処理など、目標達成に向けて政府や関係機関が実施すべき対策についての提言を示した。

（注1）国会組織法に基づき、国会が毎年の社会・経済目標を決議する。また、政府としても、各年度初め（1月）に社会・経済目標を公表する。

（注2）健康、教育、生活水準などの基準から貧困の程度を測る。ベトナムでは政令7号（7/2021/ND-CP）で2022～2025年の基準を規定。

（注3）農村が達成すべき計画、経済・社会インフラ、経済活動・生産組織、文化・社会・環境、政治システムの基準を示したもの。

（グエン・ラン）

（ベトナム）