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ロシア初の「グリーン」水素試験場、サハリンで稼働(ロシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月29日 1時5分

ロシア・サハリン州の州都ユジノサハリンスクで7月16日、ロシア初の「グリーン」水素試験場の開所式が行われた。試験対象となるのは、ロシア国産技術による水素の製造、輸送、貯蔵、使用。試験を通して今後の実用化を目指す。

試験場では、太陽光パネルによる電気分解で水から水素を分離する。第1段階では毎時5立方メートルの水素を生成し、第2段階で毎時30立方メートルに容量を拡大する計画。エネルギー省のパベル・ソロキン第1次官は、試験場の稼働はロシアが水素製造の分野で世界的な技術を持つことを示すものとの自信を示した(タス通信7月16日)。

開所とともに、4つのプロジェクトが立ち上がった。最初のプロジェクトは、点在する道路沿いの携帯電話基地局への自律型電力供給だ。サハリン州にはこのような基地局が数十カ所、ロシア全土では400カ所以上ある。ディーゼル発電とディーゼル燃料の毎月の配送の代わりに、自律型水素発電所がここに作られる。

2番目は、周囲から孤立してアクセスが困難な村でのディーゼル発電からグリーン水素発電システムへの転換、3番目は重要インフラでの非常事態、災害、事故などの現場で使用を想定した移動式水素発電所の構築だ。

4番目は、都市交通分野でディーゼル燃料の水素への置き換え。サハリン州政府は既にロシアの商用車メーカー2社が試験場内で水素燃料電池を動力源とする試験を行っていることを明らかにした。

試験場はロシアの東方水素クラスター(注)のプロジェクトの一部でもある。同クラスターで作られた水素は将来、中国や韓国を中心としたアジア諸国への輸出と、国内のプロジェクトでの使用が想定される(インターファクス通信3月5日)。

(注)2021年4月にサハリン州政府、極東・北極圏発展省、ロスアトムの3社で調印されたサハリン州での水素製造拠点設置構想。同クラスターには試験場のほか、2029年稼働予定のメタンガスを原料とするブルー水素工場(年間生産能力3万6,500トン)などを含む。

(欧州課)

(ロシア)

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