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英首相がベルギーを訪問、EU首脳らと会談、関係改善加速へ(英国、EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月8日 0時5分

英国のキア・スターマー首相は10月2日、EUとの関係改善を加速すべくベルギーを訪問、EU首脳と相次ぎ会談を行った。

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長との会談後には、戦略的な協力強化に向けた共同声明を発表した。概要は次のとおり。

ロシアによるウクライナ侵攻などEUと英国が直面する課題に合意。ウクライナの主権の支持を再確認。
経済的な逆風、地政学的な競争、不法移民、気候変動、エネルギー価格など国際課題の解決に向けて連携することで合意。
イランによるイスラエルに対する攻撃を非難し、イスラエルの自衛権を確認。中東情勢に対する外交的な対応の必要性を再確認。政治的解決に向けてはレバノンおよびガザ地区における即時停戦が必要であることを強調。
ウィンザー・フレームワーク(2023年2月28日記事参照)を含むEUからの離脱協定、通商・協力協定(TCA)を完全かつ信頼あるかたちで履行することを再確認。国際法および欧州人権条約の順守に向けたコミットメントを再確認。今後数カ月間で、経済、エネルギー、安全保障、強靭(きょうじん)性など関係強化が双方に資する分野を特定。これに関しては2024年秋に再度会談を実施することで合意。
定期的な英EUサミットの開催に合意。2025年初頭に第1回の実施を志向。

スターマー首相は、欧州議会のロベルタ・メツォラ議長、欧州理事会のシャルル・ミシェル常任議長とも会談。英EU間の関係改善に加え、メツォラ議長との間では中東情勢およびウクライナ情勢についても議論を行った。

スターマー首相は就任以降、EU加盟国との関係の改善の一環として、8月末にドイツのオラフ・ショルツ首相とフランスのエマニュエル・マクロン大統領、9月上旬にアイルランドのサイモン・ハリス首相を訪問し、それぞれ会談している。ショルツ首相との間では、複数の分野での協力拡大に向けた2国間条約の交渉開始に合意(2024年8月29日記事参照)。マクロン大統領との間では、中東情勢、小型船による不法移民の取り締まりなどに関し議論を行った。ハリス首相とは共同声明を出し、両国間のパートナーシップの刷新について議論したほか、2025年3月に英国・アイルランドサミットを実施することで合意していた。

なお、10月3日にはデービッド・ラミー外務・英連邦・開発相が、英国の外相として7年ぶりにアイルランドを訪問、ミホール・マーティン副首相と会談している。

(山田恭之)

(英国、EU)

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