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スロベニアの2024年の実質GDP成長率予測を2.4%に下方修正(スロベニア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月2日 0時5分

添付資料PDFファイル(169 KB)

スロベニア国営のマクロ経済分析開発研究所(IMAD)は3月19日、春季経済予測を発表した(添付資料表参照)。2024年の実質GDP成長率を2.4%と予測し、2023年9月の秋季予測(2023年9月26日記事参照)より0.4ポイント下方修正した。堅調な総固定資本形成の拡大、インフレ圧力の低下、外需の回復が経済成長を支えているが、秋季予測で期待したより回復力が弱いとした。実質賃金の上昇、労働市場の改善、消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)の低下による購買意欲の回復により、個人消費支出は1.6%増となる見通しだ。

2025年と2026年のGDP成長率もそれぞれ2.5%、2.6%で緩やかに上昇するとみており、特に輸出については外需の増加に伴い、それぞれ3.2%増、4.2%増と堅調に伸びるとしている。中でもハイテク製品(薬品、ICT機器)の輸出は増加が見込まれ、製造業の付加価値増加に寄与するという。一方、自動車産業については、欧州産業の構造的な変化がスロベニアの自動車製造業などの成長を抑制するとみている。また、さらなる実質賃金の上昇、貯蓄率の減少を受け、個人消費支出はそれぞれ2.0%増、1.9%増になるとし、特に嗜好(しこう)品とサービス(家具、家電製品、旅行など)のための支出が増加するという。一方、政府消費支出は2024年の6.8%増から、それぞれ1.9%増、3.8%増に鈍化する見通しだ。

2024年のインフレ率は2.7%で、年末まで緩やかに減少するが、2025年にはエネルギー価格抑制策の終了のため一時的に3.4%に上昇する見通しだ。2026年には2.2%まで下がるとみられる。

労働市場が逼迫し、ほとんどの業種で人手不足になる傾向は2025年、2026年も続く見込み。2024年の雇用者数の増加はわずか0.7%となり、失業率は4.8%に微減する見通しだ。2012年以降、国内の労働人口の減少が続いており、雇用の拡大は外国人労働者の就労によるところが大きい。スロベニア議会は2023年3月、EU域外国からの労働力の受け入れ条件を簡素化する法律を可決した。

2024年の名目賃金上昇率は6.9%と予測している。人手不足や、最低賃金が2024年1月に4.2%引き上げられたことにより、民間部門ではやや高い7.5%、公共部門では5.8%としている。2025年、2026年の名目賃金上昇率は緩やかに低下する見通しだ。

春季経済予測は下方リスクとして、ウクライナ戦争の悪化と中東での紛争の広がりに起因する新たなサプライチェーンの乱れによるスロベニアの輸出産業への打撃、ユーロ圏の経済成長の減速や高インフレの持続を指摘。一方、見通しより速いインフレ率の低下、外国人労働者の受け入れ拡大による人手不足の軽減、EU資金のより効果的な利用、社会保障制度の改革措置の実施などを、経済成長を下支えする要因として挙げている。

(エッカート・デアシュミット)

(スロベニア)

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