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米シンクタンク、全米各州の「小さな政府」ランキング発表、上位6州は共和党知事(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月18日 13時30分

米国の首都ワシントンのシンクタンク、ケイトー研究所は10月15日、全米の州知事(注1)の財政政策を評価した報告書を公表した。各州の税制と歳出を評価指標として、いわゆる「小さな政府」(注2)の観点に基づき、減税と歳出削減を行った州知事が高い評価、増税と歳出増加を行った州知事が低い評価となるよう、100点満点の評点と、A~Fの評価を付けた。

A評価を受けたのはアイオワ、ネブラスカ、ウェストバージニア、アーカンソー、サウスダコタ、モンタナの6州の知事で、いずれも共和党の州知事だった。最も評点が高かった中西部アイオワ州(81点)のキム・レイノルズ知事については、2017年の知事就任以降、同州の一般会計の歳出は年間2.3%の増加にとどまる一方で、法人所得税は9.8%から5.5%に引き下げられたほか、個人所得税は最大8.98%の9段階制から一律3.8%に引き下げられたなどと評価した。

一方で、最も低いF評価を受けたのはミネソタ、ニューヨーク、メーン、ワシントン、デラウェア、ウィスコンシンの6州で、いずれも民主党の州知事だった。最も評点が低かった中西部ミネソタ州(19点)のティム・ウォルズ知事については、2019年の知事就任以降、低所得者に税額控除や給付金支給を行った一方で、企業や高所得者に対して増税を行ったほか、大幅な歳出増加を推進したなどと評価した。

11月には11州で州知事選

米国では、11月5日に大統領選、連邦議会選と併せて、改選対象11州(注3)で州知事選も投開票される。米国選挙情報サイト「270トゥウィン」によると、うち10州では現職知事または現職知事と同じ政党の候補者の勝利が予測され、ニューハンプシャー州では新人候補者同士の接戦が予測される(10月17日時点)。また、11州のうち8州では現職知事が任期満了または立候補しないことを表明しており、今回の選挙を経て新たな州知事が誕生することになる(注4)。

各州政府が州内の事業活動に関する雇用法や税法などを独自に制定していることから、活動拠点州の選択は米国進出や拠点拡大に当たって重要な検討事項の1つとなる。ジェトロでは、米国進出や拠点拡大を志向する日本・日系企業に向けて、各州政府からの投資環境の説明やメッセージをまとめたポータルサイトを作成しているほか、工場設立や研究開発拠点の設立の立地選定支援サービスを提供している。

(注1)ただし、ルイジアナ州のジェフ・ランドリー知事(共和党)は2024年1月に就任したばかりのため、また、アラスカ州のマイク・ダンリービー知事(共和党)は同州予算の特殊性のため、いずれも評点・評価の対象外となっている。

(注2)一般に、政府支出や国民負担など財政規模が比較的小規模の政府を指す。

(注3)ワシントン、モンタナ、ユタ、ノースダコタ、ミズーリ、インディアナ、ニューハンプシャー、バーモント、ウェストバージニア、デラウェア、ノースカロライナの11州。

(注4)ジェトロの特集ページ「2024年米国大統領選挙に向けての動き」では、大統領選挙に関する最新動向を随時紹介している。

(葛西泰介)

(米国)

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