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電池素材大手の中国BTRがモロッコに負極材工場を建設、正極材工場も着工(中国、モロッコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月19日 0時55分

中国電池素材生産大手の貝特瑞新材料集団(BTR)は8月13日、現地子会社を通じてモロッコのタンジェ市にリチウムイオン電池(LIB)用の負極材工場を建設すると発表した。負極材の年産能力は6万トンで、最大で26億1,800万元(約537億円、1元=約20.5円)を投じるという。工期は約2年の予定。同社は進出する目的について、(1)新エネルギー車(NEV)市場の拡大が続いでおり、顧客満足度の向上や市場の需要を満たす、(2)海外の市場シェアを拡大する、(3)負極材分野における総合競争力を高めることなどを挙げた。

BTRはここ数年、海外進出を積極的に進めている。同社は4月にモロッコにLIB向け正極材工場(年産5万トン)を着工させ(2024年4月9日記事参照)、8月にインドネシアで建設している負極材プロジェクト(年産16万トン)の1期目工場も正式に稼働した。中国の負極材業界としては、初の海外生産・稼働拠点という。

BTRは2000年8月に設立され、2021年11月に北京証券取引所上場を果たした。LIB用の負極材、正極材、新材料などを中心に、新エネルギー産業向け材料の開発・生産を行う業界大手だ。調査会社の起点研究院(SPIR)の発表によると、中国上半期(1~6月)のLIB用の負極材の出荷量約90万トンのうち、BTRの市場シェアは21.6%と1位を維持している。

(劉元森)

(中国、モロッコ)

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