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フランス水素発電事業HDFエナジー、「世界初」産業用高出力燃料電池のギガ・ファクトリー開設(フランス)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月13日 1時5分

フランスの独立系発電事業者HDFエナジーは5月30日、フランス南西部ボルドー郊外のブランクフォール(ジロンド県)に、産業用高出力燃料電池のギガ・ファクトリーを開設した(プレスリリース)。同社によれば、世界初のPEM(プロトン交換膜)型燃料電池のギガ・ファクトリーとなる。同社は世界約30カ国以上で、再生可能エネルギー発電所および大規模水素発電インフラ開発・運営事業を行っている。

写真 工場竣工式(ジェトロ撮影)

工場竣工式(ジェトロ撮影)

同工場は、ブランクフォールの旧フォード工場跡地に建設され、2023年2月の着工から14カ月を経て完成。工場全体の敷地面積は7,000平方メートル、そのうち9本の組み立てラインを含む5,000平方メートルが生産拠点に充てられている。オフィス部分には、研究開発、エンジニアリング、生産サポートサービス部門などが含まれている。建設費用は、約2,000万ユーロとなった。

2025年から、燃料電池の試験生産を開始する。カナダの燃料電池メーカー、バラード・パワー・システムズと共同で設計されたモジュール式1.5メガワット(MW)高出力燃料電池の生産を開始し、施設内で試験を実施する(本格的な量産は2026年以降)。生産量は、2025年以降に年間100MW、2030年以降に年間1ギガワット(GW)へと増加を目指す。主に海上輸送、重負荷鉄道輸送、公共電力網への電力供給などに利用される。

HDFエナジーには現在、全世界に150人を超える水素のスペシャリストがいる。今回の工場設置により、2030年以降に同工場の従業員を500人に増員することを計画しており、地域経済活性化・雇用促進への貢献が期待される。

竣工(しゅんこう)式において、HDFエナジー創設者兼最高経営責任者(CEO)のダミアン・アバール氏は、今回の燃料電池生産プロジェクトが、EUの欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)水素プロジェクト群「Hy2Move」(2024年5月29日記事参照)に認定されたばかりだと発表。EUの認定に基づき、フランス政府の公的支援を受けて生産体制の強化を図る。

HDFエナジーの日本担当ビジネス開発マネージャーの江島氏は「今回のPEM(プロトン交換膜)型燃料電池の量産・テストプラットフォームの創出により、燃料電池の海上輸送、重負荷鉄道輸送、公共電力網への電力供給アプリケーションのニーズに応える体制が確立された。メガワットスケールの燃料電池量産を世界に先んじて開始したアドバンテージを生かし、世界での水素発電事業をさらに加速させていきたい」とコメントした。

(森安矢)

(フランス)

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