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ラマポーザ大統領、ダボス会議で特別演説(南アフリカ共和国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月27日 0時50分

南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は1月21日、スイスのダボスで開幕した世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席し、2025年のG20議長国として特別演説を行った。G20が初めてアフリカ大陸で行われることの意義を強調し、「連帯、平等、持続可能な開発」をテーマとして、これらに関する議題に焦点を当てるG20になる、と述べた。

ラマポーザ大統領は冒頭、アフリカ大陸は人類が誕生し、協力する能力と衝動を発達させた場所であり、この協力こそが人類文明の基盤だと述べた。個人やグループ、民族、国家間の協力・連帯がなければ人類は進歩できず、気候変動やパンデミック、貧困、テロなどの課題に立ち向かう中で、この人類の最も強力な特質である協力と連帯が今こそ求められているとした。しかし、世界では地政学的緊張、国家主義、保護主義などが高まり、貧困国こそ影響を受ける債務問題が顕在化するなど、共通の目的意識が低下していると指摘した。そして、今こそ戦争や紛争を終わらせ、人類が直面する問題を解決するために、国際社会として団結すべき時だと強調した。

また、成長、発展、安定に向かう上での障害として、不平等・格差を挙げた。国家の繁栄のためには性別、人種、宗教、経済的地位などに関係なくすべての人が平等と繁栄を享受すべきであることや、国家間の経済的格差や気候変動に対する資金力の格差、パンデミックへの対応力にも格差があるとし、開発途上国への資金提供や、債務の持続可能性などの課題があるとも付言した。

ラマポーザ大統領は、これらの課題認識が「連帯、平等、持続的な開発」に込められているとし、南アで開かれるG20が、世界主要経済国間の協力と連帯をより高いレベルに引き上げる会議になることを目指す、と宣言した。

南アのこうした主張は従来方針を踏襲したもので、現状になかなか変化が見られない中で国際機関の改革などを求める姿勢も一貫している。しかし、米国ではトランプ政権が誕生し、さらなる分断や対立が生じる懸念も高まっている。その米国にG20議長国を引き継ぐ立場の南アが、いかなる成果をあげられるのかが注目されている。

(的場真太郎)

(南アフリカ共和国)

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