1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

中国~キルギス~ウズベキスタン鉄道プロジェクト、キルギスでの着工開始へ(キルギス、ウズベキスタン、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月27日 9時30分

中国の首都・北京で6月6日、中国、キルギス、ウズベキスタン3カ国による鉄道プロジェクト共同推進協力に関する政府間協定が調印された。6月19日には、キルギス議会は同協定の批准に関する法案を採択した。

キルギスのサディル・ジャパロフ大統領は、政府間協定の調印を「歴史的な出来事」と評した。アキルベク・ジャパロフ首相も、1996年から続いた話し合いに一区切りがつき、キルギスは新たな発展軌道に入ると述べた。

署名された政府間協定は、プロジェクト実施における協力の基本原則を定めている。ルートは「カシュガル~トルガルト~マクマル~ジャラル・アバド~アンディジャン」で、建設工事は中国のカシュガルからキルギス国境までと、キルギスの中国国境の駅トルガルトからウズベキスタン国境の駅ジャラル・アバドまでの区間で行われる。なお、ウズベキスタン~キルギス間の鉄道は既に整備されている。中国領土内の建設を中国が行い、キルギス領土内の建設については3カ国で設立する共同プロジェクト会社が行う。同社には、中鉄国際集団が51%、ウズベキスタン鉄道とキルギス鉄道がそれぞれ24.5%を出資することが定められた。建設に向け、これまで事業化調査が行われていた(2022年9月6日記事参照)。

キルギス鉄道のアザマト・サキエフ社長は6月19日、2024年10月に建設を開始し、6年後の2030年に完成させる計画だと発表した。

同日、キルギス議会に提出された運輸通信省の資料によると、同国内での鉄道建設への総投資額は推定47億ドルで、うち50%を合弁会社が拠出し、残りの50%は中国の銀行からの融資でまかなわれるため、約75%が中国からの融資となる(米国系現地メディア「アザティク」6月18日)。ロシア大統領府付属国家経済行政アカデミーのアザ・ミグラニャン国際商業物流学部長は、キルギスでのプロジェクトを運営・管理する権限を中国に与える恐れがある、と述べている(中央アジア物流メディア「ロジスタン」6月11日)。

この鉄道は、中国から欧州への商品輸送のための新しい南ルートとして発展が期待される。3カ国の専門家によると、本輸送路は中国東部と欧州南部の港を結ぶ既存のルートよりも900キロ短く、リードタイムがほぼ1週間短縮されるという。完成すれば、現在開発中のウズベキスタンからトルコへ抜ける高速道路と合わせ、貨物輸送量が年間約1,000万トン増加するとみられている(「ニュー・イースタン・アウトルック」2月12日)。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(キルギス、ウズベキスタン、中国)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください