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米運輸長官、燃費規制やDEI、GHG測定規則の撤廃含む覚書に署名(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月6日 13時0分

米国運輸省のショーン・ダフィー長官は1月29日、ドナルド・トランプ大統領が署名した一連の大統領令に基づく覚書を発表した。これらにより、同省が所管する「有害な規制」を排除し、経済成長を優先させるというトランプ氏の指令を具体化する(2025年1月22日記事参照)。

(1)企業間燃費基準(CAFE基準)の撤回、または見直し

運輸省傘下の道路交通安全局(NTHSA)などに対し、CAFE基準の撤回、または見直しの開始を指示した。2024年3月までの3年間で自動車の販売価格が15.5%増加したという調査会社のデータを引用し、その要因が当時のバイデン政権下のCAFE基準にあるとした。2024年6月に発表された燃費規制では、2031年製車で1ガロン(約3.8リットル)当たり50.4マイル(mpg、約81キロ)が求められている(2024年6月17日記事参照)。

(2)バイデン前政権の「WOKE」政策(注)の撤回

運輸省運営管理局長らに対し、気候変動活動や、「多様性、公平性、包摂性」(DEI)に対するイニシアチブ、人種間の平等、性自認に関する政策、環境正義、その他の党派的目標を促進する全てのプログラム、政策、活動、規則、命令、ガイダンスなどを特定し、撤廃するよう指示した。ブルームバーグ(2月5日)は、これが同省の少数民族や低所得者層の環境正義に対する取り組みを廃止することを意味し、こうした人々が道路汚染による影響に苦しむ可能性が高くなると分析している。

(3)政治的イデオロギーではなく、より賢明な政策を通じたコストの低減

運輸省運営管理局長らに対し、政策、助成金、融資や措置が健全な経済原則や、肯定的な費用便益分析、経済成長のための優先事項に基づいていることを保証するよう指示した。

(4)温室効果ガス(GHG)測定規則の撤回

連邦政府が支援する高速道路での二酸化炭素(CO2)排出量の測定と、削減目標の設定を州政府に義務化する規則を撤回するための規則案の提出を承認した。運輸省は2023年11月に各州の運輸省と都市圏計画機構に対し、CO2排出削減報告義務を課す最終規則を発表している(2023年11月24日記事参照)。

ダフィー長官は覚書で「(今回の)措置は、運輸省の常識的な統治と実力主義の政策の回復に向けた重要な一歩だ。トランプ大統領のリーダーシップの下で、われわれは経済成長を妨げ、米国の家庭の負担を増やし、実際の解決策よりも極左の政策を優先してきた過剰な規制の撤廃に注力しているのだ」と述べた。

(注)人種差別や不平等などの社会問題に対する意識が高いことを表す。

(大原典子)

(米国)

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