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2023年の需要項目別GDP、投資が過去最高、輸出は不振(メキシコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月26日 1時50分

添付資料PDFファイル(625 KB)

メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)は3月19日、2023年第4四半期の需要・供給項目別の実質GDP成長率を発表した(INEGIプレスリリース3月19日付)。これによると、2023年第4四半期は、民間消費が前年同期比5.1%増、政府消費が2.8%増、設備投資と建設投資からなる総固定資本形成が18.6%増と伸びたが、財・サービスの輸出が7.5%減となり、4四半期連続の前年同期比マイナス成長を記録した。輸入の伸びは3.1%だった。通年の成長率をみると、民間消費は4.3%増と堅調で2023年のGDPを2.99ポイント押し上げたほか、総固定資本形成が19.5%増とさらに大きな伸びをみせ、GDP成長率への寄与度は4.18ポイントと民間消費のそれを上回った。輸出は通年で6.9%減のマイナス成長となり、前年とは対照的にGDP全体を2.96ポイントも押し下げた(添付資料表参照)。輸出不振の背景には、2022年秋以降に加速したペソ高ドル安の影響があり、自動車産業など一部の業種を除き、行き過ぎたペソ高が製造業の輸出を冷え込ませた。

総固定資本形成を民間部門と公的部門に分け、季節調整済みの指数(2008年第1四半期を100)として推移をみると、総固定資本形成全体の9割弱を占める民間部門の投資は、生産拠点を消費地の近隣国に移転するニアショアリングの影響もあり、2022年第4四半期以降に急速な上昇をみせた。2008年第1四半期を100とすると、2023年第4四半期には140.6に達しており、5四半期で25%以上の成長を見せている。政府部門の投資も2023年に入り、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール政権下の目玉インフラプロジェクトを政権末(2024年9月)までに終わらせる駆け込み需要により、公共事業を中心に過去1年間で14.8%に及ぶ成長をみせている(添付資料図1参照)。

GDPに占める投資の比率が過去最高の水準に

INEGIのデータからGDPに占める民間消費、総固定資本形成、輸出の水準を見ると、2023年の民間消費のGDP比は70.4%に達し、2022年に引き続き70%を超えた(添付資料図2参照)。他方、輸出需要は振るわず、36.2%となり、前年の42.8%から6ポイント以上も縮小した。総固定資本形成はGDPの24.4%に達した。この水準は2012年の23.7%を上回り、過去30年間で最高の水準となる。2023年は消費と投資が好調で内需が経済を刺激するかたちとなった。他方、ペソ高の影響でこれまで好調だった輸出が冷え込んでおり、為替相場や米国経済の動向など2024年の経済には懸念材料も存在する。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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