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米運輸省、全米各州に対しEV充電器助成プログラムの一時停止を通達(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月12日 11時0分

米国運輸省連邦高速道路局(FHWA)は2月6日、全米各州の運輸局に対し、FHWAが管轄する「国家電気自動車(EV)インフラプログラム(NEVIフォーミュラプログラム)」(注1)に関し、大統領令に基づく見直しが終了するまで、各州に割り当てられた助成金の承認を一時停止すると通達した。EV関連のインフラに関しては、1月20日にドナルド・トランプ大統領が発令した大統領令「米国のエネルギーを解き放つ」の中に、インフレ削減法(IRA)とインフラ投資・雇用法(IIJA)で割り当てられた資金の支出を即時停止する措置が盛り込まれており、各機関は補助金などの見直しを行っているところだ(2025年1月22日記事参照)。

今回の通達でFHWAは、2024年6月11日に発行された現行およびそれ以前のガイダンス(注2)を撤廃し、2025年春に新たなガイダンス案を公表し、パブリックコメントを経てあらためて最終版を発表する計画だ。

今回の連邦政府の対応に関し、ワシントン州運輸局のバーバラ・ラボエ広報担当副局長は、EV充電器のために同州に割り当てられている1億200万ドルのほとんどに影響があるとし、「われわれは、今回の一時停止の詳細についてより多くの情報を求めている。資金が不確実なため、現時点では(州内の)プロジェクトに関する決定を保留している」と述べた(「ワシントン・ポスト」紙2月7日)。また、政策を専門とするコンサルティング会社のバウンダリー・ストーン・パートナーズの上級副社長で、前FHWA長官のアンドリュー・ロジャーズ氏は「大統領が議会で承認された支出を一方的に取り消すことを禁じた1974年の予算押収管理法(注3)に違反している」との見方を示すなど、専門家からは政府措置の違法性を指摘する声も上がっている(政治専門誌「ポリティコ」2月6日)。

(注1)バイデン政権下で、2022~2026年度の5年間で州間高速道路を中心に充電設備を設置することを目的として導入された総額50億ドルの助成金プログラム。州間高速道路の中でも連邦政府が指定する「代替燃料回廊」への設置を義務付け、EVが全米を往き来できる体制を構築することを目指した。助成金は既存のEV充電インフラのアップグレードと新設、充電設備の運用・保守、機器の設置やデータ共有、人材育成などを含むインフラの運営や維持費に充てられることとなっている。州が資金を受け取るには、会計年度ごとにFHWAなどに計画を提出して審査を受ける必要がある(2022年9月29日記事参照)。

(注2)政府機関がその政策や法的解釈を国民に知らせるために発行する、運用に関する声明のこと。

(注3)「The Impoundment Control Act pf 1974」。議会が、行政部門による予算権限の差し押さえを検討および審査する手続き、手段を制定した法律。

(大原典子)

(米国)

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