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米商務省、みなし輸出に関するガイダンス更新(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月11日 10時45分

米国商務省産業安全保障局(BIS)は9月9日、みなし輸出・再輸出に関するガイダンスを更新したと発表した。ガイダンスの更新は9月1日付。みなし輸出の許可申請を行うための必要書類や手続き方法を解説している。

輸出管理規則(EAR)上のみなし輸出は、米国内で外国籍保有者(米国永住権者などは除く)に、EAR上で規制している技術やソースコードを開示することを指す。また、米国ではない第三国で、当該国以外の国籍保有者に規制されている技術などを開示する場合は、みなし再輸出に該当する。ガイダンスでは、みなし輸出が最も起こるのは、企業が技術などを外国籍の社員に公開する際だとしているが、共同研究や企業研修(注1)を行う外国人留学生へ技術などを開示する場合も起こり得るとして、注意喚起している。

ガイダンスで示したみなし輸出の許可申請に必要な書類は、(1)パスポート、ビザ、労働許可証のコピー、(2)説明書(LOE、注2)、(3)履歴書、(4)技術規制計画(TCP、注3)となっている。また、みなし輸出の許可申請の許可方針は、(1)対象となる技術やソースコードが許可されていない用途やユーザーに転用される危険性がないこと、(2)申請者がライセンスに適用される条件の順守に同意することと説明している。そのほか、ガイダンスは、みなし輸出の許可申請の具体的な手続きについても解説している。

みなし輸出は、物品が実際に移動しないことから、規制の概要がわかりづらく、企業からは対応に苦慮する声も聞かれる。バイデン政権は近年、輸出管理の執行強化に注力しており、今回のガイダンス更新は、みなし輸出での法令順守を一層促進する狙いがあるとみられる。直近では8月に、学術界向けにEAR違反に関する自主開示や、法令順守のための情報源をまとめた概要資料を発表している(2024年8月16日記事参照)。

(注1)ガイダンスでは、外国人留学生が学生ビザのままで企業研修を受けられるカリキュラー・プラクティカル・トレーニング(CPT)や、オプショナル・プラクティカル・トレーニング(OPT)を例示している。

(注2)LOEには、技術などを開示する外国人の米国外での住所や、技術の具体的な開示場所などを記載する。LOEに必要な項目はガイダンスに記載している。

(注3)TCPには、許可されていない外国籍保有者への開示防止のために、申請者が実施している、または実施する意向のある手段を記載する。

(赤平大寿)

(米国)

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