「中華人民共和国エネルギー法」第2次審査案公表、パブコメ募集開始(中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月20日 1時35分
中国・北京市で9月10日、第14期全国人民代表大会(全人代)常務委員会第11回会議が行われた。「中華人民共和国エネルギー法」(以下、「エネルギー法」)の2回目の審議がなされ、9月13日から「エネルギー法(第2次審査案)」に対するパブリックコメントの募集が開始された(意見受け付けは10月12日まで)。
「エネルギー法」は2006年1月、国務院が「エネルギー法」起草委員会を設立し、草案が起草された。2007年12月には同法の草案に対してパブリックコメントが募集されたが、その後は法案の改正、見直しが継続的に行われた。2020年4月に国家能源局が再度、パブリックコメントの募集を行い(2020年4月17日記事参照)、2024年1月の国務院常務会議で「エネルギー法」の案が審査を通過した。そして、同年4月の全人代ではその1回目の審議がなされていた。
「エネルギー法」の第2次審査案は9章77条からなり、第1次審査案の9章69条から8条増えた。風力、太陽光、バイオマス、海洋エネルギー、地熱発電、揚水発電、水素などの新エネルギーの利用などが個別に明記された。主な追加内容としては次のとおり。
1. 風力・太陽エネルギーの開発と利用を促進し、風力・太陽光発電基地の建設を加速する。また、分散型風力・太陽光発電の開発と利用を支援し、合理的かつ秩序ある洋上風力発電の開発を行い、太陽光および太陽熱発電の開発を積極的に行う。(第24条)
2. バイオマスエネルギーの合理的な開発と利用を奨励し、地域の実情に応じたバイオマス発電、バイオマス利用クリーン暖房、バイオ天然ガスの開発を奨励する。 そのほか、海洋エネルギーの大規模な開発と利用、地域の実情に応じた地熱発電の開発を促進する。(第25条)
3. 新型電力システムの構築を加速し、電源と送電網を共同開発し、送電網インフラ設備のスマート化とスマート・マイクログリッドの構築を推進し、送電網のクリーンエネルギー供給量や配分等の能力を向上させる。(第30条)
4. 揚水発電所の合理的な配置および開発、建設を積極的に行う。新型エネルギー貯蔵の質の高い発展を促進し、電力系統における各種エネルギー貯蔵の調節機能を強化する。(第31条)
5. 水素エネルギーの開発と利用を推進する。水素エネルギー産業の質の高い発展を促進する。(第32条)
6. エネルギー企業および使用者は、省エネルギーに関する法律や規定に従って、グリーンエネルギー消費を行い、グリーンで低炭素な生産・生活を意識的に実践することを義務付ける。(第34条)
(高橋大輔)
(中国)
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