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米中間に大きな進展はないものの、懸念の共有と協力継続を目指す、ジェトロの米中月例レポート(2024年7月)(米国、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月30日 9時50分

ジェトロは8月27日、米国の対中国関連政策についてまとめた2024年7月分の月例レポートを公表した。このレポートは、日本企業が米中関係に関する米国の動向を把握できるよう、2021年7月から毎月分を作成して特集ページに連載している。

まず、2023年11月に行われた米中首脳会談で合意された、米中両国の高官による対話継続に関しては(2023年11月16日記事2023年11月17日記事参照)、公表された情報を踏まえる限りでは、ASEAN関連会議出席のため、ラオスを訪問していたアントニー・ブリンケン国務長官と、王毅・共産党中央政治局委員兼外交部長(外相)が7月27日に行った会談のみだった(2024年7月30日記事参照)。同会談では、引き続き両国が責任をもって競争関係を管理していくことの重要性と、そのための対話の必要性を再認識した。ただし、ロシアのウクライナへの軍事侵攻を支援するような、中国によるデュアルユース品目のロシア国防軍事産業への提供に関し、欧州の安全保障にかかわる深刻な問題であるとして、明確に懸念を伝えたとされる。

一方で、米中関係について、米国内に目を向けると、7月13日にドナルド・トランプ前大統領が選挙演説中に狙撃される事件が発生(2024年7月16日記事参照)、7月21日にはジョー・バイデン大統領が大統領選撤退の意向を明らかにするなど(2024年7月23日記事参照)、11月の米国大統領選挙関連で政治的インパクトの大きな出来事が複数あったが、これが起因となった両国関係に影響を与える動きはなかった。

総じて7月には米中間で大きな進展や会談はなかったものの、7月27日のブリンケン長官と王外相が行った会談で、中国が合成麻薬の米国への流入を阻止するための協力を進めたこと、誤算や衝突を防ぐために軍同士の意思疎通を強化する措置を取ったことを認め、中国と協力関係を再構築するなど、関係改善のための協力が引き続き行われた。

米国の対中政策・措置や米国側から見た米中関係の動向について、行政府、連邦議会、産業界、学会に分けて解説する月例レポートは、こちらの特集ページからさかのぼって閲覧が可能。米中関係に関する中国の動向も確認できる。

(谷本皓哉)

(米国、中国)

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