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フランス、2025年政府予算法案を閣議決定(フランス)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月18日 0時45分

フランスのミシェル・バルニエ内閣は10月10日、2025年の予算法案および社会保障予算法案を閣議決定した。2025年の実質GDP成長率を前年と同じ1.1%と予測したうえで、財政赤字のGDP比を2024年の6.1%から2025年に5%に引き下げ、2029年にはEU基準である3%以内に抑えることを中期目標に掲げた。

2025年政府予算法案では、財政再建に必要な606億ユーロを、413億ユーロの歳出削減と193億ユーロの期限付き特別課税などにより捻出する。

企業向け増税については、まず、年間売上高10億ユーロ以上の大企業(約400社)を対象にする。2年間の期限付きで法人税納税額に対し20.6%(売上高10億ユーロ以上30億ユーロ未満の企業)または41.2%(売上高30億ユーロ以上の企業)の追加徴税がなされる。税率は2年目に半分に削減される予定で、同措置により2025年に80億ユーロ、2026年に40億ユーロの税収が確保される見込み。

法定最低賃金(SMIC)の就労者を対象にした社会保険料の事業者負担減免措置も見直され、2025年に40億ユーロの税収が確保される。2027年の廃止に向けてこれまで段階的に引き下げてきた企業付加価値負担金(CVAE)については、2025年は減税措置が凍結され、廃止は2030年に延期される。

家計向け増税については、2025年から3年間の期限付きで高額所得者(単独世帯25万ユーロ以上、夫婦のみの世帯50万ユーロ以上)に対し特別貢献金の徴収を求める。また、所得に対する各種納税額の割合が20%を下回ってはならないとの制限を導入する。同措置により2025年だけで20億ユーロの税収を見込む。

他方、歳出削減については、国家投資計画「フランス2030」における投資補助金支給の平準化(24億ユーロ削減)、省エネ改築補助金「マ・プリム・レノブ」を含む環境関連補助金制度の見直し(19億ユーロ削減)などが盛り込まれた。

政府予算法案は2024年10月21日に下院で審議が開始される。政府の増税案には連立与党内からも批判の声が上がっており、審議は難航するものとみられる。上下院での審議は12月21日までに完了し、予算法は12月31日までに大統領により公布される予定だ。

(山崎あき)

(フランス)

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