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バイデン米大統領が国民向け演説で「次世代にバトンを」、民主党は新たな指名プロセス発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月26日 11時0分

米国のジョー・バイデン大統領は7月24日、ホワイトハウスの執務室から演説した。大統領は大統領選挙戦からの撤退を表明した7月21日に、自身が示した決断について国民に説明すると発表していた(2024年7月23日記事参照)。

バイデン大統領は「ここ数週間で(民主)党を結束させる必要があることが明らかになった」と述べ、自身の大統領としての実績は2期目にふさわしいと信じているが、「民主主義を守るためには、何事も避けては通れない」として、「新しい世代にバトンを渡すことが最善の道だと考えた」と、決断に至った経緯を述べた。自身に代わる民主党の大統領候補に指名したカマラ・ハリス副大統領については「経験豊富で、タフで、有能だ」「わが国のリーダーだ」と称賛した。残り任期の6カ月間は大統領として経済成長や、銃規制、気候変動対策、ウクライナ支援、同盟強化、中東での戦争の終結に注力すると述べた。「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版(7月24日)は「個人的な野心は脇に置き、民主主義の擁護を強調した」と評した。一方で、「ニューヨーク・タイムズ」紙電子版(7月24日)は「次世代への交代以外に撤退を決断した理由は語らず、党内からの撤退圧力にも言及しなかった」と報道した。

11月の大統領選挙に向け、民主党では今後、ハリス氏の正式な大統領候補者指名と同氏が誰を副大統領候補に指名するかが焦点となる。民主党全国委員会(DNC)は7月24日、新たな大統領候補者指名プロセスを発表した。それによると、大統領候補として立候補する者は7月27日午後6時(東部時間)までに党に届け出し、30日午後6時(同)までに3つの資格(注)を満たす必要がある。資格を満たす候補者が1人しかいない場合、8月1日から大統領候補者指名のための電子投票を開始する。候補者が複数いる場合は7月30日から投票日までの最大5日間、代議員や国民に対して候補者が自身の政策などについて説明できる期間を設ける。投票は8月7日までには行われる。大統領候補が決まった後、その候補者が副大統領候補を指名する。その後は民主党全国大会(8月19~22日)で大統領候補と副大統領候補を承認する。

なお、予備選を通じてバイデン氏が獲得した代議員は必ずしもハリス氏を支持する必要はないが、AP通信の非公式集計によると、7月22日夜の時点で、ハリス氏を支持する代議員が過半数の1,976人を超えた。また、州知事らが既にハリス氏支持を表明したことなどから、対立候補が出てくる見込みは低いとみられている。

副大統領候補には、ケンタッキー州のアンディ・ベシア知事、ピート・ブティジェッジ運輸長官、ノースカロライナ州のロイ・クーパー知事、アリゾナ州のマーク・ケリー上院議員、メリーランド州のウェス・ムーア知事、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事、イリノイ州のJ.B.プリツカー知事、ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事、ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事らの名前が挙がっている(議会専門誌「ザ・ヒル」7月21日)。ハリス氏が黒人女性であることから、副大統領候補には白人男性を推す声や、選挙戦での勝利のため激戦州から選出すべきとの声が挙がっている。

(注)公的な立候補宣誓書をDNCに提出、党および憲法が定める大統領候補者資格を満たす、300人以上の代議員の電子署名を確保(ただし、1つの州からは50人以下)の3点。

(赤平大寿)

(米国)

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