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南ア政府、中期予算政策を発表(南アフリカ共和国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月8日 0時15分

南アフリカ共和国のイノック・ゴドングワナ財務相は10月30日、ケープタウンで開催された議会で、2024/2025年度(4月~翌年3月)中期予算政策(MTBPS)を発表した。2024年6月に国民統一政府(GNU)が樹立されて以来、初の予算関連政策の発表となった。財務省はMTBPSで、2024年の実質GDP成長率予測を2024年2月予算発表時の1.3%から1.1%に引き下げたが、これは、IMFの最新の世界経済見通し報告書での1.1%の予測と一致している。また、財務省は中期経済見通しについても、今後3年間の実質成長率は平均1.8%にとどまるとの見方を示した。ゴドングワナ財務相は、電力不足の解消やインフレ緩和が経済回復期待を高めるとしつつも、地政学的緊張や紛争の長期化が南アの成長見通しを引き続き阻害していると述べた。

今回のMTBPSは特に債務の安定化や財政規律に主眼を置いたようだ。2月の予算発表時点から歳入見込みが減少することに伴い、政府債務見込みは対GDP比74.1%から74.7%に悪化が見込まれる。2025/2026年度に75.5%にまで高まるが、その後は徐々に低下していくとした。MTBPSによると、この政府債務の対GDP比を安定させるために、過剰な支出を抑制しながら、財政赤字を削減することを目指しているという。支出抑制策としては、借り入れコストの安定化と削減、公務員給与支出の抑制、国営企業への財政支援制限などが含まれている。

一方で、経済成長を促進するための4つの主要な柱、すなわち、マクロ経済安定の維持、構造改革の実施、国家行使能力の構築、経済成長促進のためのインフラ投資については、留意していくとした。

財務副大臣を出す民主同盟(DA)はMTBPSを支持し、特に経済改革とインフラ投資に重点を置くとしたことについて、今後も注力し実行していく姿勢を強調した。しかし、南アフリカ労働組合会議(COSATU)は、緊縮財政による予算削減が十分な公共サービス提供に及ぼす可能性があることに懸念を表明している。

(トラスト・ムヴントゥガイ)

(南アフリカ共和国)

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