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米フォード、インドで輸出向け車両製造を再開(インド、米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月19日 0時15分

米国自動車メーカーのフォードは9月13日、インド南部タミル・ナドゥ(TN)州の工場で輸出向けの自動車生産を開始すると発表した。同社インターナショナル・マーケットグループのケイ・ハート社長が、TN州政府に取引意向書(Letter of Intent:LOI)を提出した。製造する車両の詳細や輸出先となるターゲット市場などについては、今後明らかにされる予定だ。

フォードは、2021年9月にインドでの車両製造事業から撤退したが、「フォード・ビジネス・ソリューションチーム」は引き続きTN州チェンナイで、1万2,000人以上の従業員を雇用し、ソフトウエア・エンジニアリング、データ分析、データサイエンス、フィンテックなどのグローバル事業を展開している。今回の車両製造事業の再開により、今後2~3年以内に2,500人から3,000人を追加雇用する見通しだ。

フォードのインドにおける車両製造事業再開に対しては、歓迎メッセージが寄せられている。TN州や隣接するアンドラ・プラデシュ州には、ルノーと日産の合弁会社、いすゞ、ヤマハ発動機などの日系メーカーに加え、現代、BMW、ダイムラーやインド地場メーカーなどが集積している。今後、受注の可能性が広がる自動車部品メーカーにとっても朗報だろう。

フォードは、2022年8月に72億5,700万ルピー(123億3,690万円、1ルピー=約1.7円)でグジャラート(GJ)州サナンドの工場をタタ・モーターズに売却していたが、チェンナイ工場については、2023年にインド鉄鋼メーカーのJSWグループとの売却交渉を破棄したため、再参入がうわさされていた。

フォードのインド参入は、第二次世界大戦前の1926年にカナダ法人の子会社として設立されたことに端を発する。1953年に一度完全撤退したのち、1995年に地場大手マヒンドラ&マヒンドラとの合弁会社を設立して再参入。エンジン工場やGJ州サナンド工場の設立と事業を拡大したが、2021年9月に過去10年間の負債が20億ドル以上に上ることなどを理由として、車両製造の中止を発表していた。

(白石薫)

(インド、米国)

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