イタリア政府とステランティス、新経営計画で合意(イアリア)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月27日 10時20分
イタリア政府は12月17日、ステランティスと、同社の経営計画に関する協議会を開催した。同月1日にカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)が任期途中で辞任してから同社との会合は初めて。同社は新しく「イタリア・プラン」として、イタリアの全ての生産拠点を閉鎖しないことや、ハイブリッドやバッテリー式電気自動車(BEV)の新型モデルの生産をイタリアで行うこと、2025年には20億ユーロの投資を予定していることなどを発表した。
協議会にはアドルフォ・ウルソ企業・メードインイタリー相をはじめ、ジャンカルロ・ジョルジエッティ経済相、イタリア自動車工業会(ANFIA)、同社の拠点がある州の代表者などが参加した。ステランティスはジョン・エルカン会長をトップとした暫定的な新体制となっており、ジャン・フィリップ・インパラート拡大欧州担当が協議の中心となった。
イタリア主要紙の1つ「コリエレ・デラ・セーラ」が「突然の和解」と見出しを付けるなど、協議の結果は暗雲に光が突如差したものと受け止められている。国内の車生産台数増を求める政府と、ステランティスの協議は2023年から続いており、両者は年間100万台をイタリアで生産する目標で合意していたが、具体策が提示されずに、議論は混迷していた。ウルソ企業相は同社の「イタリア・プラン」を受け、自身のX(旧Twitter)で「イタリアの自動車産業が正しい軌道に戻ってきた。グループにとってイタリアが中心であることが表明された」と満足感を示した。同大臣は17日に備え、各拠点のある州知事と電話会談などを重ねていた。
政府の発表によると、ステランティスの計画では、ポミリアーノ(ナポリ県)の拠点に、2028年に「ステラ・スモール」の新しい車台(プラットフォーム)を導入。コンパクトカーの新モデル2種の生産を予定している。同拠点は2030年までに「パンダ」「パンディーナ」の生産を拡充し、大衆車を強化する。また、ミラフィオーリ(トリノ県)は「フィアット500ハイブリッド」、同「500」の新世代BEVの生産拠点とするほか、2025年1月1日からは欧州地域商用車部門の本社となる。また、グループのリサイクルを担うSUSTAINera社の拠点とするほか、グループで唯一のバッテリーのテストや開発を担うバッテリー・テクノロジーセンターも置かれる予定だ。メルフィ(バジリカータ州)は数年以内に「DS・ナンバー8」や「ジープ・コンパス」など7つの新型モデルの拠点となる予定。上記以外にも複数の拠点における新計画が盛り込まれている。
(平川容子)
(イアリア)
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