政府、2024年の支援強化対象スタートアップ120社を発表（フランス）

フランス政府は5月22日、世界最大級のテックイベント「VIVA TECHNOLOGY 2024」（5月22～25日））の開催に合わせ、2024年の支援強化対象となるスタートアップ企業120社「フレンチテック・ネクスト40／120の認定企業リスト」を発表した。

同リストは毎年公募によって選定（再選定）するもので、今回の120社は、（1）年間純売上高が1億ユーロ以上で、過去3年の年平均成長率が15％以上の20社と、（2）2021年1月～2024年4月に実施された資金調達額上位20社を合わせた有望スタートアップ企業40社から成る「ネクスト40」。（3）売上高が1,000万ユーロ以上で、過去3年の年平均成長率が15％以上の40社と、（4）2021年1月～2024年4月に実施された資金調達の上位企業40社を合わせた高いポテンシャルを持つ80社から構成される。

選定企業は、公的金融機関BPIフランスの融資や助成金、資金調達アドバイスや、国外展開、人材募集など、関係政府機関の幅広い支援プログラムを受けることができる（2024年1月17日付地域・分析レポート参照）。

今回で5回目の選定となる「フレンチテック・ネクスト40／120」では、2023年に選定された企業から34社が入れ替わった。このうち「ネクスト40」では11社が入れ替わり、ユニコーン（注）の数は前年の26社から33社に増えた。

セクター別にみると、選定された企業数が最も多かったのがグリーンテック・アグリテック分野の24社で、これにフィンテック・インシュアテック分野21社、リテールテック分野16社、ヘルステック分野14社が続いた。

グリーンテック・アグリテック分野の選定企業のうち、ベルコール（バッテリー製造）、ザプラグ〔住宅・企業向け電気自動車（EV）充電器〕、フライング・ホエールズ（貨物飛行船）、ブラブラカー（ライドシェア）などモビリティー関連が7社。昆虫由来タンパク質製造のイノバフィード、インセクトのほか、植物性代替肉製造のハッピーボア、ウミアミなど健康・持続可能な食品関連が6社だった。

選定されたスタートアップ企業の規模は年々拡大しており、今回の120社の合計売上高は104億ユーロと、前年の78億ユーロから33.3％増加した。資金調達額は83億ユーロと、過去最大だった前年の135億ユーロから38.5％減少したが、雇用者数は4万人（うちフランス国内は2万7,700人）で、前年から3,100人増えた。

（注）BPIフランスの定義（フランス語）によると、評価額10億ドル以上の非上場企業。

（山崎あき）

（フランス）