王毅・中国外相、デンマークに対するビザ免除を表明（中国、デンマーク）

中国の王毅・共産党中央政治局委員兼外交部長（外相）は9月26日、国連総会出席のため訪れた米国のニューヨークで、デンマークのラース・ルッケ・ラスムセン外相と会談した。

王外相は会談で、2025年は中国とデンマークの国交樹立75周年という記念すべき年を迎えることになり、両国関係の発展に新たな原動力を注ぐべきとした上で、デンマークに対してビザ免除措置を実施すると表明した。実施時期などについては言及していない。

また、王外相はEUによる中国のグリーン製品に対する追加関税措置（注1）について、グリーン転換への努力と逆行していると指摘した上で、中国とEUが協議を通じて妥当な解決策を見いだす上で、デンマークが積極的な役割を果たすこと（注2）を望むと述べた。

中国は2023年以降、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、マレーシア、スイス、アイルランド、ハンガリー、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルク、ポーランド、ニュージーランド、オーストラリア、ポルトガル、ギリシャ、キプロス、スロベニアに対して、2025年末までを期限として、15日以内の中国滞在のビザ免除措置を実施中、もしくは実施すると発表している（2024年5月15日記事、2024年7月2日記事、2024年10月1日記事参照）。

なお、2020年の新型コロナウイルス感染拡大で停止していた日本、シンガポール、ブルネイの3カ国を対象とする滞在期間15日以内のビザ免除措置について、シンガポールとブルネイに対しては、2023年7月26日から同措置を再開しているが（2023年7月27日記事参照）、日本については再開していない。在中国日系企業などで構成する中国日本商会は「中国経済と日本企業2024年白書」などでビザ免除措置の再開を要望している。

（注1）欧州委員会は7月4日、中国製バッテリー式電気自動車（BEV）に対する暫定的な相殺関税措置を発動すると発表した（2024年7月8日記事参照）。

（注2）デンマークのラース・ルッケ・ラスムセン外相は2023年8月に訪中して、王毅外相と会談を行い、両国による気候とエネルギー、環境などグリーン分野の協力で合意した（2023年8月28日記事参照）。

（張敏）

（中国、デンマーク）