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バイデン米大統領、ボルティモア港の主要航路の全面再開を発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月13日 11時10分

米国のジョー・バイデン大統領は6月12日、2024年3月に発生した米国東部メリーランド州のボルティモア港の出入り口に架かる橋「フランシス・スコット・キーブリッジ」が大型の貨物船による衝突で崩落した事故(2024年3月28日記事参照)に関し、ボルティモア港の主要航路の全面再開の声明を発表した。バイデン大統領は、船舶航路の全面再開に貢献した沿岸警備隊による統合対策部隊の功績をたたえるともに、「私たちの心は橋崩落の犠牲者の家族とともにあり、この復興期間を通じて地域社会とともに歩み続ける」と述べた。

ボルティモア港を出港したシンガポール船籍の貨物船「ダリ」が3月26日未明に、付近のキーブリッジに衝突して以降、がれきの撤去や仮水路の開削など復旧に向けた作業が進められてきた中(2024年4月9日記事参照)、予定よりわずかに遅れつつも再開にこぎつけたかたちだ。ボルティモア港は自動車や農業機械の陸揚げや石炭の積み出しの主要港となっていたことから、サプライチェーンの混乱や地域経済への影響が懸念されていたが、今回の全面再開を受けてこうした懸念の大部分は解消される見込み。

ただし、橋の崩落に伴って交通渋滞が深刻化しており、商取引が滞っていることから、地元ではキーブリッジの再建が待ち望まれている。メリーランド州は、2028年秋までには完成させたい考えだが、再建費は17億~19億ドルと見積もられる(ロイター5月3日)。バイデン政権は、橋の緊急修理、設計、再建のための初期費用の頭金として連邦運輸省から6,000万ドルの緊急援助資金を拠出した(2024年4月9日記事参照)。バイデン大統領は連邦政府が再建費を全額負担することを約束しているが、議会はまだ100%の資金を確保するための法案を可決していない(「ザ・ボルティモア・サン」6月10日)。

(樫葉さくら)

(米国)

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