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カナダ政府、中国製EV輸入関税引き上げに関する公開協議終了、BYDは進出示唆、労組は関税措置を要求(カナダ、米国、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月6日 11時50分

カナダ政府は8月1日、中国製電気自動車(EV)の輸入関税引き上げを検討するため7月2日から開催していた公開協議を終了した。同公開協議中には中国のEV最大手の比亜迪(BYD)がカナダへの進出を示唆したほか、カナダ最大規模の民間労働組合ユニフォーが最終日に中国製EVや関連部品に対する関税措置をカナダ政府に要求するなど、さまざまな動きがあった。

BYDの代理人として活動するロビイストは7月24日、カナダ政府が中国製EVに対して輸入関税引き上げを検討している中、カナダ政府とオンタリオ州政府に対し、カナダの乗用EV販売市場への参入や、新規事業の設立、EVに対する関税適用に関連する事項についての助言を求める公文書を提出した。

カナダ政府による中国製EVに対する関税賦課に向けた動きは、米国やEUの動きを追ったものとなっている。米国のバイデン政権は5月、米国通商代表部(USTR)に対し、EVを含む戦略分野で、1974年通商法301条に基づく対中追加関税(301条関税)の関税率を引き上げるよう指示した。これにより、米国は今後、中国製―のEVに対しては100%、太陽電池と半導体に関しては50%、その他の戦略分野では25%の追加関税を課す予定だ(2024年5月15日記事2024年6月18日付地域・分析レポート参照)。同措置の最終決定は8月中旬を予定している(2024年7月31日記事参照)。

ユニフォーがカナダ政府に対して要求した関税措置は、この動きを追ったものとなっている。主な要求は次のとおり。

米国と同様、現行の関税に加え、中国製EVに100%、バッテリーに25%、重要鉱物に25%の関税を追加で課す。
電気モーターやバッテリーセルの材料など、重要な構成部品に対する追加課税により、カナダへのサプライチェーン移管を保護する
カナダの国境管理担当官に、中国製品を含む強制労働が疑われる商品を差し止めるためのリソースとガイダンスを提供する。

カナダ政府はこの公開協議の内容を今後の政策対応に役立てるとしている。なお、公開協議は終了したが、今回の件に関しては引き続きカナダ財務省がコメントを受け付けている。

(谷本皓哉)

(カナダ、米国、中国)

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