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トランプ氏、米国の若年男性層に焦点、ケネディ氏を保健福祉省などでの起用示唆(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月29日 11時0分

11月5日の米国大統領選挙の共和党候補ドナルド・トランプ前大統領は10月25日、若い世代に人気の高いジョー・ローガン氏がホストを務めるポッドキャストでインタビューに応じた。トランプ氏はまた27日に、ニューヨーク(NY)市のマディソンスクエアガーデンで、著名人を招いて選挙集会を開いた。

トランプ氏はインタビューで移民政策に時間を割いたほか、経済政策では関税を中心に据えると述べた。同氏は不法移民の流入阻止や強制送還の必要性を訴えているほか、全世界からの輸入に一律10~20%の関税を課すベースライン関税や、米国へ輸出する国が製品に課している関税率と同率を米国輸入時にも課すトランプ互恵通商法などを掲げている(注)。

トランプ氏はまた、ローガン氏から、ロバート・ケネディ・ジュニア氏の政権入りについて質問された際、「そのつもりだ」と回答した。ケネディ氏は無所属で大統領選に立候補していたが、8月に選挙活動を中断し、トランプ氏を支持すると表明した(2024年8月27日記事参照)。ただし、トランプ氏は「彼は石油が好きではない。私は石油とガスが大好きだ」「私は(ケネディ氏に対して)『健康に焦点を当てろ。君がしたいことは何でもできる』と言った」と述べ、エネルギー省や環境保護庁ではなく、保健福祉省などでの起用を示唆した。トランプ氏は石油や天然ガス、石炭、原子力など、あらゆるエネルギー源を活用したエネルギー価格の引き下げなどを提唱している。

マディソンスクエアガーデンで行われた選挙集会には、共和党の副大統領候補のJ.D.バンス上院議員(オハイオ州)のほか、元フォックスニュースの司会者タッカー・カールソン氏や電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)らも参加した。議会専門紙「ザ・ヒル」(10月26、27日)は、伝統的に民主党支持が強いNYで集会を開いても同州の選挙結果に与える影響は小さく、多数の著名人が演説を行っても態度を決めかねている有権者を説得できる可能性は低いとしつつも、著名人が選挙遊説に加わることで、若い男性など投票率が低い層の間で熱狂が高まる可能性はあるとした。若い世代で人気が高いポッドキャストへの出演も、トランプ陣営が若い男性の支持獲得に多大な時間と労力を費やしている戦略の延長線上にあると指摘している。「ウォールストリート・ジャーナル」紙(10月23日)も、トランプ氏の課題は、同氏を支持する若い男性が民主党候補のカマラ・ハリス副大統領を支持する若い女性ほど投票意欲が強くない点にあり、彼らを投票に行かせる動機付けが必要だと報じている。

ジェトロの特集ページ「2024年米国大統領選挙に向けての動き」では、大統領選挙に関する最新動向を随時紹介している。

(注)トランプ氏の政策については2024年8月9日付地域・分析レポート、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領との政策比較については2024年9月6日付地域・分析レポートを参照。

(赤平大寿)

(米国)

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